YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.146 先生開始までの朝の寄り道時間

4月から新たに社員教育が始まり、『山田先生は朝の支度に、どのくらい時間がかかりますか?』とよく質問されるので、今回のエッセイは私の朝の身支度や過ごし方について、お話しさせていただきます。みなさんが朝起きてから家を出るまでの時間は、どれくらいですか? 人によっては30分、頑張れば15分という方もいらっしゃると思いますが、私は“山田先生”の顔になるまで、少し前まで3時間が必要でした。今は最短で90分(前日のコンディションにもよりますが)に短縮することができるようになりました。ですが、正直なことを言うと、2時間から3時間あるのが理想です。

具体的な朝のルーティンをご紹介します。起きる予定の15分前にアラームをセットして起床。まずは、1日を優雅に過ごすために必要な、しなやかな筋肉をつくる仰向け寝のストレッチを15分間行います。その15分間は頭の中を空っぽにする瞑想タイムでもあり、ストレッチと瞑想で体と頭を目覚めさせます。と言うととてもカッコイイのですが、私は低血圧の低血糖(だいぶ改善されましたが)なので、アラームを2度セットするのです。例えば、朝7時に起きる場合は6時45分に1度目のアラームが鳴ります。そこで枕やブランケットなど全てを外して、寝ぼけたままで仰向け&ガニ股&骨盤合わせして目を閉じます(再び寝てしまう事も)。そこから2度目のアラームが7時に鳴って、起き上がります。ベッドメイクや部屋中の窓を開け、空気の入れ換えが完了したら、そのあとは、歯磨き、トイレを済ませて、毎朝欠かすことのないサプリメントを、お白湯と一緒に飲みます。

続いて、携帯電話でメールチェック。そのときのメールの内容によって、臨機応変に対応しますが、何も問題がなければ、洗面準備に。まずは洗顔代わりとして、蒸したタオルで顔から首元を温めながら、寝ている間に分泌された皮脂汚れなどを細部まで丁寧にオフします。顔周りがじんわりと温まるこのひとときは、気持ちを落ち着かせるリラックスタイムでもあり、その日の段取りを組み立てる、脳時間としても活用しています。起き抜けの肌がリセット出来ない時は、ホットタオルをおかわりしたり、洗顔をしっかりすることも。睡眠の質がイマイチで頭の中がまとまらない時、脳や体のコンディションが調整できない時もあります。そんな「まだ不十分と感じる」時には入浴やシャワーを追加。そうすることで、体の準備がようやくできて、次に進めるのです! そこから先は、その日の肌コンディションに応じたスキンケアをプラスしたり、キッチンでお湯を沸かして、そのとき気分と相談してコーヒーやハーブティなど、どんなドリンクを飲むかを決めます。

ここまでのモーニングルーティンを読んでおわかりの方もいると思いますが、朝起きてすぐはやるべきこと、筋肉&心を心地よく始動させることを交互に重ねながら(寄り道しながら)、身支度を整えるのが基本。朝は特に、無駄なく効率良くを念頭に入れながら、タイムパフォーマンスを重視して支度をしています。

その後、朝食の準備、外出するまでのルーティンについても、とにかく、あちこちへの寄り道が多い(笑)。例えば、キッチンで卵をゆでながら、ドレッサー前でベースメイクの土台をつくったりしますし、メイクの工程を毎回、同じ場所で仕上げることはありません。社員教育やマンツーマンレッスンなど、毎日の仕事場が異なるので、自然光が入るリビング、蛍光灯の下など、あっちの鏡、こっちの鏡と、さまざま光量の場所でメイクを仕上げていきます。そんな風にメイクを仕上げていく工程の途中でも、もちろん、寄り道は必ずします! 髪の毛が落ちていたら、ささっと掃除機で吸い取りますし、鏡に指紋がついていたら拭き取ることも忘れません。洗濯機、食洗機を回して、汚れたものをゼロにするのも朝の日課。洋服のシワが気になったらその場でアイロンをかけたいですし、持ち歩き用のタンブラーの中に、ドリップしたてのコーヒーを注いだり、花瓶のお花や植木の手入れをしたりも。できることなら、朝のメイクで使ったスポンジやブラシをその場で洗いたい派ですし、仕事から帰ったらすぐに夕食が食べられるように、朝食用とは別に野菜を洗ったり、下茹でしたり…‥。その日のスケジュールを思い浮かべながら、気がついたことを先取りして、その場で実践していくスタイル。こんな寄り道をしながら、ゆったりと自分に時間と手をかけて出掛けると、その日1日が本当に調子良く過ごせるのです。

逆に、限られた短い時間の中で身支度に追われると、焦りを引き寄せて、呼吸も浅く、止まりやすくなります。と、同時に筋肉も硬直しやすい状態に。そして、こういう状態で仕上げた自分は決まって「イマイチ」。きっと、いつもより雑になってしまうスキンケアやヘアメイクに、「やっつけ感」が出てしまうのでしょうね。寄り道ができる余裕のある朝時間こそ、心も体も整って、最高の自分を引き出すことにつながるのだと思います。

この午前中の寄り道の数々、実は疲れて帰宅した夜以降にも本領を発揮します! 朝ルーティンの途中で行った、下処理した食材で夕食の準備が楽になりますし、衣類も食器も床も鏡も、全部がクリーンな状態なので、自宅に戻った時の心地よさ、清々しさが明らかに違います。山田式寄り道時間を試しながら、朝の過ごし方で見違える体の柔軟性、心がうるおう感覚を、是非、味わってみてください。