YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.147 今こそ定番見直しのタイミング!

少し前に、タレントさんやモデルさんの朝起きてからのモーニングルーティン、帰宅してから就寝するまでのナイトルーティンがSNSで話題になっていましたね。みなさんはどんなルーティンを日々、実践していますか? 「朝食は効率&健康重視でバナナ1本+ヨーグルト派」。「会社に行く前に必ず通り道のカフェに寄って、ラテを購入してから出勤」。「帰りには自宅近くのコンビニに立ち寄りが日課。お惣菜や新作スイーツをこまめにチェック」。

そして、毎日のルーティン以外にも、「いつも行列ができている大人気のスイーツ店、今日は行列ができていないから得した気分で並んだ」。「新幹線の車内販売では、とりあえずアイスクリームを食べるのがお約束」。「旅先でのお土産店、欲しいものがないけどここまで来たんだから!と、当たりはずれがなさそうな限定お菓子を購入」という経験、みなさんはいくつ当てはまりましたか? 自分が当てはまらなくても、周りで該当する人が多いと思います。これらの「あるあるルーティン」、本当に今、必要なものですか? 今回のエッセイは、普段何気なく選択している、MYルーティンや定番を見つめ直すことがテーマです。

コロナ禍に突入後、私はさまざまな見直しをしました。

まずは、仕事シーンでのアップヘアをやめたこと。それは、いつもの黒のジャケットに白いマスクが必須になり、そのスタイルにアップヘアだと威圧感を与えてしまうと感じたから。表情を柔らかくすることや声色を意識しても、顔の下半分以上が隠れているマスクオンの状態では、どう頑張っても表情がかたく、少し怖い印象に。それに気づいてからは、髪型は柔らかな曲線を描くダウンスタイルに変更。さらに、仕事用のジャケットも現場によってはライトグレーにしたり、インナーの色を明るくするなど、これまで揺るぎなかったMYルーティンを刷新しました。清潔感を求められる現場では、真っ白のマスクで顔の半分近くを覆っているとイメージが変わりますよね。ここ最近は、一定のクライアント以外は、威圧感のない肌馴染みのいいカラーマスクで対応させてもらっています。

思い返すとコロナ禍の3年間で、私たちを取り巻く環境や生活習慣は大きく変化しましたよね。それに比例して、私たちの見た目、ボディライン、体力面にも変化が生じています。そして、これまでとは異なる経験値と年齢を重ね、自分の取り扱い説明書が分厚くなったことに気がつけている人は、どれぐらいいるでしょうか? その取説がアップデートされたのですから、ここ最近と3年前を同じ感覚で過ごしている人は要注意。自分の顔つきや肌質、ボディラインや筋肉のつき方、生活習慣全般のリセットと見直しが不可欠になっています!

コロナ禍でのボディメイクは、YouTubeを見ながら宅トレしたり、ソーシャルディスタンスが保たれる山登りをしたり、日頃のモヤモヤを発散させたい! 達成感を味わいたい一心で暗闇フィットネスに夢中になった人もいると思います。そんなやみくもな運動でついてしまった筋肉は、きっと頑固なはず。ですから、今の自分に必要な筋肉かどうかの見極めは重要なタスクのひとつ。この3年で自己流で使い込んだ体を1から見直して、理想のボディラインに近づけるためのメンテナンス、リセットが必要になっています。

マスク装着が日課だった頃は、メイクが崩れないことやナチュラルさを想定してメイクしていたと思いますが、マスクオフになった今、それと同じメイクをしていると、紫外線の影響を受けやすく、日焼けやシミ、乾燥などのトラブルを引き落とすことに。ベースメイクの濃さによって、使うクレンジングも変わってきますよね。みなさんの基礎化粧品事情は大丈夫? また、マスクがある時に「イケてる」と思っていたメイク、ヘア、ファッションでも、マスクオフして改めて見てみると、満足できる仕上がりと思えるかどうか……。それはまるで、ロングヘアーからベリーショートにイメチェンしたより大きな変化ですよ!

それから、リモートで仕事していた人の中には、仕事を効率よくこなすスキルが低下している人、毎日週5の通勤がなくなって体力そのものが落ちている人も。「もっとやれるはずなのに」。「やるべきタスクが全然終わらなかった……」。職場で「こんなはずじゃなかった」の連続に陥っている人は、自分の仕事面においてのスキル&体力の見直しのタイミングにきているサインです。いえ、むしろ全てを捨てて、新しく自分を作り直す方が早いかも。

自分にとっての当たり前の見直しやリセットは、決して悪いことではなく、ポジティブな行為。新しい自分との出会いでもあり、魅力が高まるチャンスのときとも言えます。例えば、淡くやさしいトーンのコンサバファッションから、ロングジレを取り入れたモノトーンのファッションに挑戦するだけで印象が大きく変わりますし、無難なピンクベージュのネイルから、短く切り揃えた爪先に深い赤のネイルにチェンジするだけで、別人になったような気持ちの高揚感が! 爪先の印象が変われば、似合うジュエリーやアクセサリーのテイストも変わる……というように、ひとつを見直すと、それに似合う新しいもの探しがスタート。自分に似合っているもの、ふさわしいもの、必要なものは残して、新しいエッセンスを取り入れることで、自分自身にワクワクしたり、周りから嬉しい声かけあったりと、いい連鎖が起きるのです。自分の取説をより詳しく充実させるための見直し作業、面倒がらず、まだ見ぬ新しい自分との対面を楽しみに取り組んでいってほしいですね。