YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.01「お腹が空いて食べたい」のと「まだ食べられる」感覚は別もの! February 2011

生徒さんにウォーキングを教え、講演をし、取材で写真を撮られることも多い私。おかげさまでスタイルを褒めていただくことも多いのですが、実はとても太りやすい体質。しかも甘いものもお酒も大好きですから、体型を維持するのに苦労してきました。

たとえばモデル時代。食事が大の楽しみだったため(これは今もですね)、
「食事の制限はしたくない。だったら運動できちんと消費すればいいんでしょ?」
とばかりに、毎日7キロのジョギングをしていました。
けれど、こんなダイエットには問題がありますよね。
たとえば体調を崩したら走れなくてすぐ体重がもとに戻ってしまう。また、二十歳そこそこなら毎日のジョギングもこなせるかもしれませんが、年齢を重ねたらどんどんきつくなってくる。

キレイになるための努力は「続けられるもの」でなければいけない、これが私の美容法の核になりました。

続けられるためには、現実的でなければいけない。毎日ジムに通うなんていうのは、よっぽど恵まれた方以外は無理ですよね。また、続けられるためには、我慢してはいけない。たとえば断食道場に行って3日間食事を我慢すれば、確実にストンと体重は落ちます。けれどそういった極端な食事制限(たとえば「ローフードだけを食べる」とか「夜の食事は20時までに」といったものも、現代人のライフスタイルからみればかなり極端ですね)を行った人は、その多くが後でリバウンドに悩むんですね。私のところにも、そういった生徒さんがたくさんいらっしゃいます。特にお仕事で活躍している方は、会食やお酒の席も多いため、あまり極端に断るのが失礼にあたるケースも。それを断り続けてダイエットして、果たしてハッピーなのでしょうか?

ですから、私は生徒さんに「ダイエットは一切禁止!」と言い渡します。「食べたいものを食べたいだけ召し上がってください」と。

ただ、肝心なのは「食べたいだけ」という感覚です。
ここだけは、きちんと守っていただきたいのですが、「食べたい感覚」をきちんとつかむこと。

では、自分の「食べたいだけ」をどうやってつかむのか、そのコツをお教えしましょう。

甘いものを買うとき、私は我慢せず気になるものをすべて買います。アイスクリームを5種類買うこともあります。どうするかって? 帰宅したら、全種類をあけます。だって、我慢はしたくないですからね。そして、すべての種類を一口ずつ食べます。はい、これでまず「食べたいものすべて」を口にしました。

次に「もう一口食べたいものはある?」と自分に聞きましょう。どうしてもこれをもう少し、というのがあればもう一口食べます。

これでおしまい。すぐさま、残りのアイスクリームにフタをして、フリーザーにしまいましょう。そのとき「気になるアイスクリームを全種類味わった。お代わりまでしたわ」と確認してください。お腹がいっぱいで、甘いものまで食べて、体はきちんと満足しているはずです。しかも、フリーザーにはいつでも食べられるよう、アイスクリームがあるのです。
なんとハッピーな!

もしもあなたが、こんなセリフをつぶやいていたら要注意。

「まだ食べられるから」
「もったいないから」
「これが美味しかったから、あれも美味しいに違いない」

こういった発想はすべて、肥満のもと。
「お腹がすいて食べたい」のと、「まだ食べられる」感覚はまったく別です。
「まだ食べられる」と思ってから何かを食べると、それはすべて脂肪として蓄えられると心してください。「食べたいだけ」を食べたら、そこでストップ! やってみればわかるのですが、このクセは、一度つけてしまえばストレスはまったくありません。「食べたいだけ」の感覚をきちんとつかめば、辛くて苦しい我慢をしなくても、体重は減ります。どうぞ、だまされたと思ってチャレンジしてみてください。