YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.07 「ぶらぶらストレッチ」で、脚をリリース!

「肩回し」で多くの方々のボディがスリムになりましたが、今回は下半身とお腹に劇的に効果のあるストレッチをご紹介します。せっせと腹筋運動をなさっている方、「体重を減らしたいわけではないんだけど、下半身が太くて」なんて方にはとくにおすすめです。

まずはまっすぐに立ちます。「まっすぐ」がわからなければ、壁に背をつけて立ってみてください。壁にどこが接していますか? 後頭部、肩甲骨、お尻、かかとが壁に触れていればOKです。「後ろに反っている感じがする」とおっしゃる方も時々いるのですが、もしもそう感じるとしたら、日頃いかに前のめりな姿勢で生きているかがわかるというもの。「まっすぐ」は折に触れて確認してください(私は生徒さんに、「エレベーターに乗るたびにチェックして」とお伝えしています。それだけでも、ずいぶん意識が変わります)。

次に、足先を確認してください。両方のかかとをつけたとき、つま先はどこを向いていますか? つま先と膝のお皿は、身体の正面〜外側を向いているのが正解です。ほとんどの方は身体の外側に重心があり、膝のお皿が内側を向いてしまっていることも。この重心を、後ろ〜内側に集めてくるのがストレッチの目的です。

では、まず12時方向(身体の正面)に向かって、足を片方ずつぶらぶらさせてみましょう。体育の時間によくやるような、関節を緩める動きですね。力を入れてぶんぶん振るのではなく、優しく揺らして脱力すること。足が濡れていて、足先のしずくを振って払うようなイメージもいいかもしれません。片足ずつ、各10回ほどぶらぶらさせてください。このときに注意するのは、内側のくるぶしが自分から見えるようにすること。これだけで、膝やつま先が外側を向いてくるのがわかるはずです。ワンポイントがついた靴下を持っている方は、それを履いてやってみてください。ポイントが自分から見えてしまう場合は、つま先も膝も内側に向いています。

続いて、今度は上半身とのコネクトを意識します。お尻の穴を床に向けるイメージで、骨盤を少し倒します。上半身を後ろに反らせ、腰から恥骨をぐっと前に突き出す姿勢になりましょう。今度は自分を中心に、「10時10分」の角度になるように、斜め前方に片足ずつぶらぶらさせます。この時ももちろん、内くるぶしが見えるようにすること。脚とお腹、さらには上半身がすっきりとつながってくるのがわかるのではないでしょうか。こちらも片足ずつ各10回程度行うだけで、内側重心への意識が生まれてきます。また、上半身を反らせて脚をぶらぶらさせることで、ダルダルのお腹にきちんと力が入るはずです。これにより、いわゆる腹筋で使う腹直筋ではなく、腹斜筋へと働きかけることができるようになります。脇腹から下腹へとつながる腹斜筋が使えるようになれば、しめたもの。天然のコルセットとなってお腹を引き締めてくれますから、特別な運動をしなくてもぽっこりお腹がなくなります。

このストレッチ、行っているときはあまりに簡単なので「効いているのかな?」と不思議に思うかもしれません。けれど、たとえば2時間の講習会でこのストレッチをみっちり行うだけでも、生徒さんの脚のラインがみるみる変わってくるのです。日常の生活のなかでほんの数分行うだけですから、どうぞ続けてみてください。特に内股ぎみで、ヒップやももの外側にいらないお肉がついてしまっている方は、気がつくとそれがそぎ落とされていることに気づくはず。ハードなトレーニングや難しいエクササイズはいりません。身体についている「ムダ」を減らすには、ストレッチで十分です。