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Essay エッセイ

Vol.09 “山田流断捨離”のすすめ

今回は、流行にのって…というわけではありませんが、「無駄を減らす」についてのお話です。巷では断捨離が大ブームですよね。震災の影響もあるのか、「たくさんのモノに囲まれるよりも、少しの大切なモノと生きていきたい」という気持ちは、皆さんが持ち始めているようです。私の生徒さんの中にも、バブルをまったく経験していないという世代も増えてきました。モノを買うよりも自分に投資したり、豊かな時間を過ごしたい、という願いはとても素敵だと思います。

とはいえ、モノを捨てるのは本当に大変ですよね。「もしかしたら使うかも…」「気に入って買ったんだけど…」と迷っているうちに、「もったいないから、とりあえずとっておこう」と考えてしまいがち。そんな方には、私は「1キロものを捨てたら1キロ痩せるわよ!」とエールを送っています。家の整理整頓とボディラインに関係があるなんて、にわかには信じがたい話ですよね。でも、モノが増えたお部屋は清潔感がないと思いませんか? ボディラインだって同じこと。「もったいないから、残ったおかずを食べちゃおう」「美味しいからあと一口!」と身体を甘やかすクセがついている方は、お部屋も散らかっているもの。「無駄をなくす」というマインドは、お部屋も身体も一緒なんですね。

私の自宅にいらしたお客様は、皆さん「生活感がない!」とびっくりされます。確かに、ものが露出しているのが許せないから、クローゼットにしまっていて、ほとんど表には出ていない。唯一、お気に入りの靴を飾っているだけ。洋服にせよ本や雑誌などの資料にせよ、クローゼットの中にしまっています。中を一杯にしてしまわないのもポイントで、8割くらいを目安に、増えてきたら処分するように。8分目がちょうどいいのは、胃袋と一緒ですね。第一、部屋がものに占拠されていたら、その分の家賃がもったいないですから(笑)。

では、どのように「ものを減らす」のか、私の知恵をお教えしましょう。まず、増えてしまうものの筆頭が洋服ですが、とにかく数を絞っています。洋服は1軍から3軍まで格付けしています。3軍にまで落ちてしまったものは、部屋着かパジャマ。「これ、ちょっと色あせちゃったかしら」とクエスチョンが出たら迷わず3軍へ。イライラした時や身体を動かしたい時に、はさみを入れてダスターに変身させ、お掃除してしまいます。そうすれば気持ちもすっきりさっぱり。「そういえば、この服はもう風合いが落ちている!」なんて発見したら、即座にお掃除のお供に。そうすれば「私を美しくしてくれただけでなく、部屋までキレイにしてくれてありがとう!」と気分よくさよならできますよ。

もちろん、ブランドものや高価だったものは「もったいない」とためらわれますよね。そういうときは、友人などにさしあげることにしています。「高かったから」とタンスのこやしにするよりも、部屋がすっきりして人にも喜ばれるのですから一石二鳥ですよね。部屋にも身体にも不要なものを溜めないこと。気持ちよく、美しく生きるためにはとても大切ですよ。