YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.10 「自分の体内時計」と向き合おう

私はよく人からワーカホリックと言われます。確かに、一年365日お休みをいただかず、毎日何かしら仕事をしています。なぜ毎日仕事をするのかといえば、「そのペースが自分にとっていちばん快適だから」にほかなりません。「毎日仕事なんて、大変じゃない?」と聞かれますが、私にはこのペースが合っている。とはいえ、「毎日仕事」は万人向けではありません。要は、「自分がどんなペースで働き、どう休むのが快適か」を見つけること。今回はそんな「自分を知りましょう」というお話です。

現在の生活サイクルにたどりつくまでに、本当にいろいろ試しました。たとえば週5日みっちり働いて、土日は毎週沖縄へ、なんて時期もありました。乗る便も行くホテルも決まっていて、週末はプールサイドでシャンパン三昧。「メリハリが聞いていて、気分転換にもなって最高だわ」と思っていたのですが、次第におかしな具合になってきました。土日をみっちり休もうとすると、平日に仕事がぎゅうぎゅう詰まってしまうんですね。私が「これくらい働きたい」「納得いく結果を出すなら、ここまでやらなくちゃ」と思うレベルは、週休2日とはバランスしないんです。

そこで週6日働いてみたり、半年働きづめで1ヶ月休んでみたり、とさまざまなサイクルを試してみました。その間、ずっと自分の心と身体に「どんなペースが心地いい?」と問いかけました。どうやら、私はちょこちょこと仕事をして、ちょこちょこ休むというペースが一番合っている、と気づいたのは仕事を始めて3年くらい経った時でしょうか。仕事の合間に気晴らしをしたり、ちょっとした楽しみを見つけたり、というのは上手なよう。そうやってほどよく息抜きをしながら毎日仕事をするのは、まったく苦痛ではなかったのです。その代わり、死守しなければならないのが「1日7時間」の睡眠。働き盛りの女性が毎日7時間眠るというのはなかなか難しいと思うのですが、ここを守らないと調子が狂う。お腹が空いたかなとか、「あの本を読んでおきたい」などがあっても、眠気を感じたらそれが最優先。おかげで、毎日仕事をしていても疲れず、風邪もひかず、心身ともに健康な状態をキープできています。

もちろんこのサイクルは、人によってさまざまだと思います。毎日4時間睡眠でOKという人もいれば、土日は仕事のことを一切考えたくない、という人もいるでしょう。いずれにせよ、体内時計の動き方をじっくり観察し、「自分のサイクル」をつかみさえすれば大丈夫です。

ただし、30歳を過ぎたら「メンテナンス」の意識はもちましょう。20代の頃は土日もめいっぱい遊ぶことで元気を回復できるものですが、30代、40代となると事情は変わってきます。平日の疲れを土日で回復すべくメンテナンスに当てないと、月曜日にぐったりしてしまうのでは? 食事でも仕事でも、「詰め込む」のは簡単で、きちんと「出す」ことのほうが難しいもの。身体のお肉だって、つけるのは簡単だけれど、落とすのは大変ですよね。いらないものや溜まったものを上手に取り除いていけるサイクル、これを見つけることが大切です。