YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.03 “ながら作業”で、ラクして美ボディに April 2011

私の初めての著書には“日常力”という言葉がついています。これはズバリ、私のライフスタイルそのものを表す言葉――1日24時間、いつだってキレイになるチャンスなんです。わざわざジムに行ったり、食事制限をするのなんてまっぴら(運動だけで痩せようとしたら、以前お話した20代の私のように、体調を崩してしまいます!)。シャンパンも、スウィーツも、フレンチのフルコースだって躊躇しないでいただく。それでも体型をキープできているのは、ひとえに「24時間、いつでもキレイのためにある」生活を送っているから。私がよく言われるセリフに、次のようなものがあります。

「先生って、まめなタイプなんですね」

さて、この意味はわかりますか?
私はちょこちょことよく動きます。ミーティングの最中に歩きながら考えたり、食事のときにも足を組み替えたり。落ち着きなく見えない程度に(笑)、こまめに動きます。

なぜなら、同じ姿勢を続けたくないから。美容のためにも健康のためにも、同じ姿勢を続けるのはよくありません。血行が滞り、全身がむくみます。水分や老廃物がたまれば、セルライトのような塊も出現してしまいます。また、筋肉よりも脂肪が多くなってしまうと、冷えてますます代謝が悪くなります。悪循環を防ぐためにも、私は10分以上同じ姿勢を続けないようにしています。

たとえばデスクワークのとき。すぐ近くのゴミ箱までパッと歩く人と、椅子をカラカラ……と引きずって近づく人といますよね。どちらのほうが美容と健康にいいかは、一目瞭然です。小さな動作ですから、カロリーは大して消費していません。けれど、立ち上がって数歩動くだけでも、固まった姿勢をほぐすのには絶大な効果があります。ゴミを捨てに行く、ファックスを取りにいく、お茶を煎れるために立ち上がる……こういった「雑用」は大歓迎! こんな姿勢が、「まめなタイプ」に見えるんでしょうね。

食事のシーンでも同じこと。右方向に傾けていた足を、左方向へと傾ける。靴の中でこっそり、足指をグーパーしていることなんてしょっちゅうです。こうやって、日常生活のあらゆるところに潜んでいる“ブスになる癖”を追放すること、それが「日常力を上げる」ことなんです。

日常力を上げるために、ちょっとクイズを。誰もが行う次の動作で「日常力を上げる」には、どうしたらよいでしょうか?

①シャンプーする
②外出先でメイク直しをする

よくある風景ですが、皆さん何も考えずに行っているのではないでしょうか? ちょっとしたプラスαを取り入れれば、こんな動作も美ボディ作りに役立ってくれるのです。
では、正解を。

①シャンプーするときには、皆さん肘を開いて手先だけを動かしていますよね。でも、腕を縦に動かすようにすると、二の腕~肩甲骨まわりの筋肉を使うことに。凝りがひどい人なら、腕を前後させたときに肩がゴリッと音をたてることもあります。毎日行うシャンプー時に解消できるとしたら、こんなオトクな話はありません。

②メイク直しのタブーは、「鏡に近づくこと」。ぐーっと体を前に傾け、顔を鏡のすぐそばに持っていっている女性、よく見かけますよね。でも、これでは肩が前に落ち、猫背になってしまいます。主役は鏡ではなくあなたなのですから、メイクのディテールを見たいのなら、コンパクトについた鏡を「自分の側に引き寄せる」ことが大切。さらに上級テクニックとして、コンパクトを持ったまま、トイレの鏡に背を向けてみましょう。どうですか?コンパクトの鏡に、普段は意識しない自分の後姿がくっきり映っていますよね。思わず背筋がピッと伸びてしまうこと間違いなしです。

「日常力」を上げるチャンスが生活のあちこちに潜んでいること、おわかりいただけましたか? エクササイズをしなくとも、毎日の積み重ねでメリハリボディは作れます。一緒に頑張りましょう!