YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.111 頑張る&がむしゃらマインドを捨てて、理想の美ボディつくる秘訣

1年のうちで最も何かを始めたくなる4月の到来。とはいえ、今年は世界的な感染症の影響で日々の行動が制限される方もいて、お稽古事を始めたいというよりは、どんより重たい気持ちや身体をなんとかしたい! と思う人が多いのでは? また、年度初めでもある4月は、職場の環境や人間関係などが変わる人にとっては、地に足がつきにくい不安定な時期。日によって気分のアップダウンがあったり、心と身体のバランスが取りにくかったり、やる気だけはあり余っているのに身体が全くついてこない……そんな声を耳にする季節でもあります。そこで、今月は身体の整え方について、日々心がけているポイントをお伝えしたいと思います。

私のウォーキングレッスンにダイエット目的で通ってくださる生徒さんには、「頑張ること」と「がむしゃらな行動」は絶対にNGと伝えています。その理由はとてもシンプルで、頑張りすぎるとその反動で何もしたくなくなったり、燃え尽きることがあるから。そして、気合いを入れて身体を動かすと、不必要な筋肉に負担をかけたり、身体がこわばってしまうことも。だから、力まず、頑張らず、毎日できる正しい動作をコツコツと続けることのほうが、身体や筋肉にとっては有効と教えています。自分が思い描く理想の美ボディ、ボディラインに達成したいと思ったら、1回で100をクリアするより、10×10回、5×20回、1×100回……というように、回数を積み重ねれば重ねるほど身体はしなやかになり、リバウンドのリスクも圧倒的に少なくなります。

それから普段、何も身体を動かしていない人が急に運動をするのも要注意。走りたいと思っている人なら、ストレッチとゆっくり歩くことから始めてほしい。そして、ウォーキングが目的なら是非、筋肉を伸ばすことから始めて、眠った身体を目覚めさせるウォーミングアップを習慣にしてほしいです。何事も、“無理なく地味にコツコツが最強で最高!” ということです。

この身体づくりの考えに辿りつくまでに、あらゆるダイエットの失敗を経験してきました。オイル抜きダイエットで肌も髪もパサパサになって老け込んだり、炭水化物抜きをしたときは、お決まりのリバウンドであっという間に増量。急激&無謀なダイエットをしたせいで、ストレッチマークができてしまったこともあって、そのときは本当に後悔しました。そんな数多くの苦い経験を経て、付け焼刃のダイエットとは決別! 「女に生まれたからには一生キレイでいなきゃ!」、「ヘルシーに美しく痩せたい」というマインドに切り替わりました。それは、インスタントなダイエットではなく、当たり前に空気を吸うように、正しく身体を動かすことを生活の一部にすることを決めたのです。

まず基本に忠実を心がけ、正しい骨格に基づいた姿勢を意識します。それから、身体を触って硬くなっているところ(使っている筋肉)を探して丁寧にほぐし、その周りから平均的にならしていく。さらに、身体の柔らかい部分(使っていない筋肉)を動かすにはどうしらいいか、脳を使ってロジカルに考えて実行すれば、全身のバランス、ボディラインはグッとよくなります。また、1日の中で重心を体のどこに置くか、美姿勢を意識することも重要で、日々、スマホやパソコンなどで前のめりになっている身体に、後ろ重心の意識を叩き込むことも忘れません。後ろへの意識を高める動作は、両肩を後ろへ大きく回したり、おなかを上へ引き上げ、後頭部をお尻にのせるイメージで歩く。また、自然の重力を使用して大の字になって仰向けで寝転がるなど。いますぐにでもできそうな簡単な動作ばかりでしょ? 美ボディを手に入れるには何も特別なことは必要ないんです。

無理なハードワークや食事制限もないので、人に気づかれずに理想のボディが手に入れられるようになる。しかも、それがリバウンドもなく、ずっと続くと思ったら「いますぐやりたい!」という気持ち、高まってきてますよね。だからこそ、考える脳と利用する筋肉を味方に、期日も目標体重も定めない“地味で地道なコツコツダイエット”始めてみてください。今年の夏にはきっと理想のボディラインにグッと近づけているはずですよ。