YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.112 さあ、今をどう過ごす? 客観的に自分を見直すことで生まれる幸せ

未知なるウイルスの世界的な蔓延で、今、本当に大変な事態に陥っていますよね。不安な気持ちたくさんあると思います。リモートワークになったり、行動制限が強いられている方が多いと思いますが、私が指導させていただいているマンツーマンレッスンも今は対面ではなく、無料画像チェックとオンラインレッスンに切り替えています。今月のエッセイは日々のオンラインレッスンで、生徒さんによくアドバイスをする事柄をピックアップしたので、今まではとは違う考え方を取り入れつつ、みなさんの自粛生活にも役立ててみてください。

ひとつ目のアドバイスが「頭が前に出ている」ということ。普段、パソコンを打ったり、スマホを見たり、ごはんを食べるときも前作業の私たち。今はおうち時間の活用で、料理をする時間をはじめとして、映画やドラマを一気見したり、YouTubeを見続けたりと、首が前に出る動作が増しているように感じます。テレワークで座っている時間も長いせいか、いざ、オンラインレッスンでしっかり立って!とお願いしても、普段きちんと立てていた生徒さんですら、頭が前に下がりがち。先月のエッセイでご紹介した、「後ろ重心の意識」をチェックして、前のめりになっている生活の見直しを! 実際、頭の位置は「こんなに後ろ?」ぐらいが丁度いいんです。

それから、自宅でストレッチをしている生徒さんも多いのですが、「呼吸を止めない!」ということも、オンラインレッスンで何度も何度も言っているキーワード。いつもより動かないことが多いので、ストレッチを頑張りたい!鍛えなくちゃ!という一心で、気合が入り過ぎていることが要因。自宅でのストレッチは呼吸を意識しながら、こわばった筋肉や使わなくなった筋肉をゆるめる、全身をほぐす目的で行ってください。また、気持ちよくストレッチをすることで、本来は筋肉が伸び伸びするんですが、一人で行っていると自分のペースでついつい焦りがち。のんびりゆっくり体のどこが伸びているのか、どこに効かせたいのかを感じながら楽しんで行うことも重要。

普段の対面レッスンでは一面が鏡になっているので、自分の体の向きや動作をチェックしながら行えますが、自宅だとそれはなかなか難しいですよね。その結果、鏡を見ずに体を動かすと、関節の向きなどが自分のやりやすい方法、自分の癖に流されがち。「我流の動作はやめる」ためにも、自宅にある全身鏡を総動員させて、体の細部をしっかりと確認しながら動かすことが、美ボディのカギに!

また、オンラインレッスンに加えて、その日食べたもの、飲んだものを含めた食事チェックも行っています。つい最近、「口に入れた食べ物を何度噛みますか?」と質問したところ、生徒さんからは「20回」という答えがほとんどでした。あれ?と思って、追加で「咀嚼を意識していなかったら?」と聞き直すと、「15回か……それ以下」という回答に。誰もが20回以上噛んだ方がいいというのはわかっていながら、意識しないと、いかに楽に雑に過ごしているかがわかりますよね。

そんな楽で雑な生活につい傾きがちな方におすすめしたいのが、ご飯を食べるとき、鏡を正面に置いて自分の動作を見ながら飲食すること。咀嚼回数や噛みグセがわかるだけじゃなく、お箸を口に運んでいるつもりが、実際は口(顔)が前に出てそこにお箸を運んでいたり、ふとした時の顔のゆるみにギョッとしたり……キメ顔じゃない自分の顔、動きを客観視するいいタイミングになるはず。全身鏡がなければこれを機に購入するのもひとつの手ですが、スマホのムービー撮影でも応用は可能。メイクする機会も減っていると思うので、鏡に向き合うことの大切さ、自分を客観視する意味をいま一度、見直してほしいですね。

この自粛生活は人に会うことも外出も少なくなり、意識しなければ自分の顔も体もどんどんダラけて(楽に雑に傾いて)しまう、とても危険なタイミング。でも、見方を変えれば、自分を磨いて綺麗を最大限に高められる絶好の準備期間とも言えます! 鏡を味方に正しい姿勢、筋肉をほぐす&動かすを意識して、世の中が一気に動き出したときに、背筋がスッと伸びたしなやかな体、ウィンドウに映ったウォーキング姿に自信がもてる、美しくアップデートした自分で歩き出せるように地道な努力を今日から始めてみませんか?

追伸:ほとんどの方が自粛生活にもかかわらず、世の中のために頑張っている生徒さんたちへ
今は、自分をたくさん甘やかして美味しいものをたっぷり食べたり、いろいろなことを怠けてもいいですよ。この事態が治まったら、私が責任をもって全力で二人三脚しますから。安心してお仕事行ってらっしゃい! 不安なときは24時間いつでも電話してきてくださいね。