YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.113 リスタートを美しく飾るための基本姿勢と意識すべきこと

長い長い自粛期間を経て、いよいよ新しい日常へスタートを切るタイミングがきましたね。とはいえ、自粛が解除されてもまだまだ油断できないこと、十分に理解しているはずです。それをふまえながら、みなさんが真っ先にやりたいことは何ですか? 友人との再会、それとも、デパートでのショッピング、お気に入りのレストランでディナーというのも久しぶりにしたいことかもしれませんね。このエッセイを読んでいる皆さんには、待ちに待ったそれぞれの予定や目的地に、少しでも美しく麗しく到着していただきたいので、今月はリスタートの意味を込めて基本姿勢についてお話ししたいと思います。

慣れないリモートワークや座りっぱなしの生活が長引いているせいで、基本姿勢ができていない人が本当に増えています。まずは、基本姿勢のおさらいから! かかと、お尻、肩甲骨、後頭部を一直線にする、これが正しい基本姿勢。チェックする方法はいくつもありますが、まずは床に仰向けになって寝転んでみてください。自分の体重と重力のおかげで、かかと、お尻、肩甲骨、後頭部の4点が床と接地するようになるはず。この動作は、体の後ろ側に意識を取り戻すのにもとても有効です。これができたら、今度は壁に背中をつけて立ち、体の4点が一直線になるかを確認します。反り腰になっていたり、肩が内側に入っていると、壁につかなくなるので姿勢や筋肉の調整が必要に。

壁と腰の間に手を入れて、パーで入るくらいの隙間ならOK、グーの拳状態で入るなら反り腰なので骨盤の傾け方を意識してみて。恥骨を前に突き出すように、骨盤の向きを変えると壁との隙間を調整しやすくなりますが、一番手っ取り早いのは股関節と膝をゆるめること! 屈伸をすると股関節の力がいい感じに抜けるので、骨盤調整が可能に。また、壁に肩甲骨がつかない内肩の場合は、肩を左右にしっかりと180度に開くこと。鎖骨が真横に伸びているイメージが理想です。さらに、肩に加えて腕の向きも重要で、力こぶができる部位、上腕二頭筋は正面に向け、プルプルの振り袖二の腕と言われる上腕三頭筋は、後ろに向けるのが定位置。

やる気が満ちあふれているときだと思いますが、せっかく体を動かすのなら正しい姿勢、正しい動作を心がけてください! 間違った姿勢でのエクササイズや運動は、体にプラスになるどころか、マイナスに働くことも。正しくない姿勢、動作のせいで体に負担をかけてしまうこともあるので、是非、確認してみてください。

正しい基本姿勢を体に叩き込んだら、お気に入りの靴を履いて目的地へ出発♪ このときも気をつけてほしいことがいくつかあります。ひとつ目が靴の中のすべての足の指が伸びているか。靴の中で指が縮こまっていると、歩く時に関節が曲がったままになり、変形しやすくなります。また、 足裏全体的に、まんべんなく体重をのせることが出来ているかもチェックが必要。かかとからつま先まで、しっかり体重移動させながら歩く意識をしてください。ヒールを履きこなしたい人は、重心を踵とやや内側へのせるとグッと歩きやすくなりますよ。

それから、頭の向きも重要で決して前のめりにならず、後頭部から後ろに引くイメージ。顎が上がったり下がったりしないように、上顎から引くように意識するといいかもしれませんね。そして、すべての動作を行うときには、息が止まらないように呼吸をしながらが鉄則です。人は「何かやろう!」という交感神経が働くと、呼吸がとまりやすくなります。息が止まってしまうと、結果、筋肉を固めてしまうことになるので自然な呼吸を忘れずに。

気のゆるみや慣れによって、不注意のケガ、事故を引き寄せてしまうことがあるように、この6月は危機管理しっかり行った上で、普段の姿勢も今一度見直してからリスタートしてくださいね。