YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.117 丁寧な準備期間がもたらす、ゆるがない自信

つい先日、『山田さんは、何をしている時が一番幸せですか?』と、私の仕事はもちろん、ライフスタイルや性格などを全く知らない方(わたしがお客様という立場で)から聞かれました。いわゆる世間話だったのですが、これが私にとっては質問される事のほとんどない内容で、面白いなぁと思ったので今回のエッセイのテーマにすることにしました。

まずは質問の答えから。『料理の下ごしらえをしているときですかね』という私の回答に対して『下ごしらえですか?』と先方。『お料理を作るのも食べるのも好きなのですが、テレビも音楽もつけずに、仕事の方向性やまとめを考えながら、野菜を洗ったり切ったり、食材を茹でたりしながら、保存容器に詰めるまでの作業が好きなんです』と、お話ししました。

ここからが全てに繋がっていく今回のテーマ! 例えば、お洋服のほつれを直したり、お手入れをしている時。翌日のバックの中身を確認しながら準備している時、というように、様々な準備するタイミングが何とも言えず好きなのです。ちょっとした緊張感と、程よくボーッとできる作業バランスがいいのかもしれません。バックの中も、毎日全部を出して入れ直すのですが、それは化粧ポーチも同じ。なので、いつでも筆やパフはキレイな状態で出掛けていますし、ポーチインさせるアイテムもその日の現場によって違うので、翌日の予定を考えながら持っていくコスメをセレクトするのも楽しみのひとつに。

生徒さんでも、この事前準備ができている方がたくさんいらっしゃるんですが、準備上手な方=清潔感があるなぁと実感しています。忙しく働いていながらも、しっかりとメンテナンスやケアをする時間を作ることができている人は、準備上手でいつでも清潔感に溢れている印象です。一方、いつもバタバタせわしない人は、必要な物をバッグから取り出す時に時間がかかりますし、スカーフやハンカチがシワシワだったり……。行動力やバイタリティがあって、いつも忙しくしていても、全ての管理やメンテナンス不足が否めなくて。「もう少しひとつひとつを丁寧にすればいいのになぁ、残念だなぁ」と思ってしまう場合も。日々のやることを1つ減らしてでも、準備やメンテナンスの密度を濃くした方が、毎日が気持ちよく過ごせることを知ってもらえたら嬉しいです。

それは仕事面でも同じで仕事が出来る人は資料も完璧で見やすい。『あの時のデータは?』とリクエストしてすぐに出てくる人と、待たされる人とでは印象が全く違います。以前のエッセイでもお伝えしていますが、何よりも準備をする事で自信を持てるようになるので、自信が持てないのならしっかりと準備をすること! 丁寧な準備することで仕事のパフォーマンスや周りからの見られ方が確実に変わりますよ。

さて、話を冒頭に戻して、「何をしているときが幸せか?」。『下ごしらえ』ができていると、料理の盛り付けも美しくなりますし、バランスのいい食卓に。また、お洋服もアイロンやほつれ、毛玉のケアなどができていると、いつでもさっと着ることができて清潔感に溢れた装いになります。そんな日々の下ごしらえ、下準備の大切さ、わかっていただけましたか?

ちなみに、体づくりの下準備も万全です。ストレッチや日頃のボディメンテナンスが出来ているから、鍛える時の土台はすでに整っています。キレイな筋肉のしなりは、美しい立ち居振る舞いにも繋がるので。疲労で浮腫みが出ている状態で鍛えても、効果は出ることなくその苦労は台無しに……。何事も最大限なパフォーマンスを引き出すために万全の準備が不可欠。さあ、みなさん、自粛という準備期間はどんなメンテナンスが出来ましたか?