YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.120 この10年で得られたもの、手放せたもの

ホームページ開設とこのエッセイ連載を2011年にスタートし、いつの間にか10年が経とうとしています。日々お付き合いいただく皆さま、本当にありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。元々、月刊誌の連載から始まったこのエッセイ。当時から愛読してくださっている方もいらっしゃいますので、その方々とは10年以上のお付き合いになりますね。

毎月アップしているこのエッセイ、改めて見直しましたが、まぁ時間のかかること……(笑)。初回から119回まで改めて読み直して、10年前の私と今の自分があまりにも違うことに驚きました。どうやら私は、10年周期でいろいろな変化が起こるタイプのよう! 懐かしさついでに、10年ごとの私のヒストリーを少しだけご紹介していきたいと思います。

まずは、30年前からーー
華やかな世界、目の前にある全ての事を覚えるのに必死だったモデル時代。初めてステージに立ったり、大勢のお客様の前でマイクを持つという事も経験し、脳も心も細胞も全てががむしゃらの全集中!でした。

20年前ーー
表に出る世界を経験すると、裏方の大切さとそのエネルギーの強さを深く感じ、現役を引退してウォーキングスタイルアドバイザーとしての道を選択。生徒さんの活躍を二人三脚でサポートするのが、私の幸せだと深く感じるように。日々、体型改善やウォーキングの指導など、お手伝いができるのが本当に楽しくて。モデル、タレントやアスリートというプロだけの指導がメインでしたが、一般の方へのLessonを始めたのがこの頃。今の通常マンツーマンレッスンの始まりです。

そして、10年前ーー
2冊目の書籍出版から1年が経って、いい流れができたタイミング。この頃はテレビや雑誌などのメディアでの活動が多くて、『正しいとはこうあるべき!』『正しい、美しい、健康はセットになっている』という発信を。そして様々な出会いや学びがあり、今に至っています。

さて、この10年で私が手に入れたものとは?
沢山ありますが、なんといっても健康な心と身体。今まで沢山の方々とご一緒させていただくことで、さまざまな筋肉や骨格に触れ、そして、人それぞれの病気やマインドとも、ゆっくりと話し合うことが出来ました。多方面で活躍するその道のプロの方々、一般の方々とこれらを共有し合うことで、自分だけでは到達できなかったさまざまな成長につながっています。

私自身にもまだまだ足りないことがあって、わからない事はすぐに携帯やパソコンで調べられるようなったこの環境も、10年で大きく変化しましたよね。自分で発信したり伝えることが多かった分、自分の知らないことにフォーカスしたり、気が付くことがなかなかできなかったんです。そして、この年末年始に携帯やiPadを一新して、検索環境をアップデート。新しい情報との出会いはもちろん、新しいデジタルツールへの挑戦が今更ながら楽しみです。

それから、自らの話しをするより、相手がお話しされることを聞く事の大切さも、この10年でより深く実感できるようになりました。10年前は自分の知識の少なさにガッカリすると同時に、『知らない事は恥ずかしいこと』と思っていましたが、今は、『知らない事があると気が付けた=知識を身につけるチャンス!』と思えるように。どんな小さな事でもすぐに質問&解決が、今の山田友美のモットーになっています(笑)。この話しにも通じていますが、この10年で手放したものは『恥ずかしいと思う気持ち』……それが一番の財産かもしれませんね。

120回目のエッセイを書くにあたって、自分が「10年間で手に入れたもの。」そして「10年間で失ったもの。」を書き出してみたら、今回はこのようなエッセイになりました。
さて、これからの10年はどうなっていくのか……正直、今は全く想像もできません。
ウォーキングスタイルアドバイザーとして、毎日コツコツ努力を積み重ねていた私が、しゃべることより苦手意識のある文章を10年も書き続けているのですから。だから、『10年後はこうなっていたらいいなっ!』と思うことに、ゆっくり向いて行こうと思います。次回のエッセイは、次の10年に向けて、今、私が始めようと思っていることを皆さんにご紹介できたらと思っています。

皆さま、これからの10年もどうぞ宜しくお願い致します。
山田友美