YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.128 本当のことを言ってくれる人、周りにいますか?

食欲の秋真っ盛りですが、みなさんはベストな体重、体型でお過ごしですか? フェイスラインがスッキリしたり、痩せると周りの人たちがすぐに反応してくれますが、逆に太ったことをズバッと言われる経験はほとんどないはず。でも、実際はそういう正直な指摘をしてくれる人が身近にいた方が、確実にキレイになれるものなのです。

例えば、数字だけを見てダイエットしている人がいたとしましょう。糖分やオイル分を極力抑えた場合、確かに体重は減りますよね。でも、上半身だけがげっそりして、肌も髪もパサパサな状態に陥りがち。せっかく痩せたとしても、ヘルシーで健康的な印象やハリ、ツヤがなくなった肌では魅力は半減。「体重が減った=よかったね!」では決してないんです。そんな間違ったダイエット法をはじめ、マナーや身だしなみ、仕事に対する意識など、さまざまな事柄に対して「それ間違ってるよ!」と言ってくれる人が周りに多ければ多いほど、成長できるチャンス、伸びしろが多いということになります。

周りから間違いを正してもらったり、アドバイスをもらえる人になるために必要なのは、「何を言っても大丈夫な空気感をまとう」こと。自分では気づかなかったことを教えていただくという意識を持ち、謙虚な姿勢で感謝の気持ちを忘れないことも重要。耳の痛いことを言ってくれる人、聞きたくないことを言ってくれる人、やだなー、面倒くさいなーということを言ってくれる人をありがたいと思える自分がいますか? また、余計なお世話なことを聞き入れられる自分がいるかどうかも、一旦立ち止まって見返してほしいと思っています。周りから「この人に何を言っても無駄」と思われたら、この先の成長は期待できませんよ!

一見、ハラスメント的な内容にも写りがちな言動かもしれませんが、厳しい上司や、反対意見を持った方のほうが、学びや実りは多くなるもの。そういう人たちを敬遠するのではなく、自分にないことを習得できるチャンスだと思って、耳が痛い言葉、自分の意見にフィットしない言葉も大事にすべき。価値ある言葉に耳を傾ける柔軟性と適応能力を身につけることができれば、自分のスキルは上がり、品格まで備わってきます。

指摘という名の愛あるお言葉をもらえる自分になって、見える景色を広げてみませんか?