YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.129 コロナ禍を経た旅の楽しみ方

長かった緊急事態宣言がようやく明けて、制限の少ない日常が戻りつつありますね。コロナ禍以前のように、友人と食事へ行ったり、ずっと会えていなかったご家族に会いに行ったり、癒しを求めて旅行の計画を立てている人もきっといらっしゃることでしょう。今回のエッセイは、コロナ禍を経験した今、私が過ごしたいと感じている旅のご紹介をしたいと思います。

ほんの数時間の移動で景色や食べものが変わり、日常と比べて空気感や気候も一変する旅は、ほんの少しの緊張感もあって、リフレッシュやリラックスできる貴重なひとときですよね。皆さんはどのような旅がお好みですか? 「前もって予定をしっかりとたてる」「計画的に観光地を巡る」など、それぞれ素敵なプランがありそうですね! 私にとっての旅は、自分を向上させるインプットの時間。だから、量より質にこだわっています。例えば、3泊4日で沖縄の離島をラフに旅するよりも、1泊2日でラグジュアリーな空間を楽しみたいタイプなので、自分の身の丈よりも少しランクの高い旅を常に意識しています。

仕事柄、一流ホテルや旅館で社員教育をしているので、自分の知らない一流宿泊施設でホスピタリティやマニュアルに触れることは、何にも変えることのできない学びの場。これまでの自分の教え、立ち居振る舞いの答え合わせができるだけじゃなく、その場その場の接客に触れることで、自分自身を向上させることもできるのです。そして『普段の生活が乱れるような旅は絶対に避けたい!』という点も重視しています。そうなると、時間と快適さを何より優先。事前予約する深夜バスや格安航空券を利用した弾丸ツアー、何ヶ月も前から予定を立てる旅行は縁遠い存在。旅行の前後に、仕事を必死に調整するということはしませんし、もちろん、現地でのスケジュールも詰め込まず、その日の気分で予定を決め、気ままに旅することがほとんどです。

旅といえば友人のペースに合わせすぎて、滞在中や旅行から帰ってきた翌日にぐったりした経験がある方もいらっしゃるのでは? コロナ禍で自分のペースで生活する快適さを覚えた私たちは、誰かのペースに無理に合わせる旅はもう卒業。言いたいことや思ってることを正直に相手に伝えながら、楽しく過ごせるパートナーを見出すことも豊かな旅、人生には必要なこと。もし、友人とのお付き合いや配慮が少しでも面倒と感じる時には、何からも縛られない自分自身を大切にする旅を満喫してみてもいいと思っています。

加えて、「次にいつ来られるかわからないから、○○しなきゃ!」の詰め込み旅は封印! 山田調べでは、そういう意識で旅する人ほど「太っている人が多い」(笑)。きっと、「今度いつ来られるかわからないから、あれも、これも食べておこう!」と、必要以上に欲張る結果の表れなのだと思います。旅行中だからOK! という気持ちもわかりますが、自分の体調やボディラインが崩れるような旅は、その後が大変ですね。

普段のペースを乱さず、日々の生活の中に旅があるような新しい感覚。それが、今の私が求めている日常のようです。
皆さんはどのような旅がお好みですか?
ストレスなく皆さんらしい素晴らしい旅、存分に楽しんでみてください。