YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.138 コロナ禍の我流宅トレからの答え合わせ

コロナ禍で行動が制限され、体を動かす機会が劇的に減り、多くの人たちの筋肉量が減ったと言われていますよね。その中で台頭したのが「宅トレ」という、新しいエクササイズの概念。運動初心者でも、YouTubeやInstagramを見ながら、都合のいい時間に運動ができるということが最大のメリット。気になる二の腕やウエスト、ふくらはぎなどのパーツ痩せエクササイズ動画はもちろん、脂肪燃焼コース、むくみ解消メソッドなど、ユーザーの悩みに対してダイレクトに響くコンテンツがたくさんアップされています。この宅トレ動画、トレーナーさんを厳選し、さらに、体を正しく動かせるのなら有効だと思います。自宅で積極的に体を動かそうとするマインドはさすが! と、エールを送りたい気持ちでいっぱいです。やる気モードで張り切ると、気分爽快ですよね。ただ実際は……というと、動画を見ながら我流でがむしゃらに体を動かす人がほとんど。自身の得意な筋肉だけを使い、苦手な筋肉は使わないというありさま。そうすると知らないうちに姿勢や関節に弊害が出たり、負担がかかってしまう危険性も。その証拠に、レッスンに来れない間、宅トレに精を出し、結果、体に不調が出て慌てて対面レッスンに駆け込んでくる生徒さんが、数名ではありませんでした。負荷を加えすぎて、ひざや腰が痛くなったり、ふくらはぎの外側のつかなくていい筋肉がモリモリしてきたり、ひざ上にお肉が層になって重なったり……我流&がむしゃらな宅トレを経て、対面レッスンで自分の体と答え合わせは、筋肉達の席移動が必要になっています。

そんな我流の宅トレから通常レッスンに戻った生徒さんをはじめ、今、多くの生徒さんの間で人気になっているのが、スニーカーを履いて行うお散歩ウォーク。ハイヒールを履いて行う、エレガントで優雅なお散歩ウォークは、たるみたくない筋肉にヒールと重心を使うエクササイズや、地面に脚を残した軽めのストレッチ。それとは全く異なるスニーカーウォークは、全身の筋肉を数段階でパワフルストレッチをさせて、脚力を高める動きがメインのパワーウォーキング。スニーカーはヒールと比べて、素材感も着地の感触もやわらかいので、歩きながら自分の筋肉を最大限に伸ばしてあげることができます。ヒールウォークよりも伸びやかなのにがっつり歩きたい、大きく筋肉を刺激して思いっきり体を解放したい!という生徒さんや、宅トレやウォーキングでエネルギーを使ってきた方々から多く支持されています。さらに、スーツ着用出勤の緩和やスニーカー人気の定着が、リクエストが絶えない理由のひとつになっているのだと思います。

このウォーキングが人気の理由はまだあって、その人の希望に沿った、その人だけのレッスンロードを作っていくことにあります。ウォーキングメニューは、3つからセレクト。
・景色を楽しみながら可動域を確認しながら軽めに歩く。
・毎日歩く、駅から勤務先まで、もしくは、自宅から駅までの道のりを、平坦な道はもちろん、坂道や階段などをチェックしながら実践的に歩く。
・ウィンドウショッピングをするかのように、ハイブランドが軒を連ねる六本木や銀座でのお散歩。
生徒さんとお散歩しながら、その道その道にポイントをマーキングしていくことで、自然とレッスンの復習ができますし、正しい歩き方がいつの間にか身についているという嬉しい結果に。

1日24時間という時間は誰にでも共通。だからこそ、わざわざ時間を作らず、日常から効率的に、ほぐしましょう!鍛えましょう!が山田流ウォーキングエクササイズの特長。いつでも何処でも意識することが重要なポイントです。ボディメイクを考えながら、その時々に使う筋肉や、健康を考えて1歩ずつ正しく歩くことができれば、体の不調とは無縁に。今現在、腰が痛いな。足が浮腫みやすいな。など、ちょっとしたSOSサインを抱えている方は、その場所に負荷がかかっている理由があるはず。その分だけお休みしている筋肉があるのです。ちゃんと体が教えてくれているのですから、その周りの筋肉や関節の向きの見直しをすべきですね。ちょっとした骨格の向き、重心を置くべき位置の再確認など、自分の体との答え合わせ、今一度、ゆったりカラダと向きあいながらチェックしてみてくださいね。