YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.141 憧れのエンゲージリングが似合う手元、似合わない手元

コロナ禍で大きく変わったことのひとつに、手洗いの徹底とアルコール消毒がありますよね。その積み重ねの弊害として、手指の乾燥やささくれが深刻化していると言われています。元々手元は乾燥や小じわ、黄ぐすみなどが目立ちやすく、紫外線や大気汚染など、外的刺激によるダメージも潜在化しやすい部位。清潔感や生活感が垣間見えるパーツでもあり、結婚を控えた女性たちからすると、婚約指輪を指にはめたときに、乾燥で手肌がくすんでいたり、ささくれが大量発生しているのは死活問題! 今回のエッセイでは、多くの女性たちが憧れるHARRY WINSTON、GRAFF、Cartier、TIFFANY……などのエンゲージリングが似合うような、ベースコートを塗っているだけなのにダイヤモンドが似合う手元になる、山田流のあれこれをご紹介します。

生徒さんはよくご存知なのですが、コロナが流行する前から、白のコットングローブは私の仕事の必須アイテム。マンツーマンレッスンで生徒さんの体を触るとき、ブライダルウォークでチャペルの歩き方をレクチャーするときも、コットングローブは欠かしません。

毎朝、自宅を出るときに肌なじみのいいオイルを小指の爪の先ほど取り、爪の生え際にすり込み、さらに、関節のシワにも丁寧になじませ、指のつけ根に向かって圧を加えながら全体に浸透させます。さらに、人差し指を曲げ、その第2関節を使って手の平全体をマッサージし、白のコットングローブを装着するまでが通勤時のルーティン。グローブをすることでオイルが手肌にしっかりと浸透して、さらに、程よいスチーム効果でふっくらとした手元になります。しかも、グローブをしていると、意識高い人として認識されやすいです。

5−6組のグローブを常に持ち歩いていて、指先が汚れたかな?と思ったら、つけ替えのタイミング。新しいグローブに替えるときに行っているのが、手袋の上からのマッサージ。心臓から遠い、指先の左右をつまむところからスタート。次に、爪の生え際をプッシュし、指のつけ根に向かって、指の上下左右に圧をかけていきます。さらに、指と指の間から手首に向かって手の甲を流したり、親指と人さし指の間を力を入れて揉みほぐしたりも。最後は、手首を逆の手でしっかりつかんで、圧をかけるように上下にスライドさせながらマッサージ。血行がよくなるので、手がふっと軽くなるかんじもありますし、短時間のマッサージでもぽかぽかしてくるほど。これを1日、3−4回行うとむくみもすっきりするので、続けるほどに、どんな指輪も似合う手元になれるはず。指の長さは変えることはできなくても、指をほっそりとスリム化することは可能!

これまでは、具体的な手元ケアについてお話ししてきましたが、ここからは、手元に表れる人間性のお話。わかりやすいところで言うと、「ネイルをはげたままにしている人」は、汚い指先を放置できる、やりっぱなしで後始末ができないタイプ。「指が反りかえりがちな人」は全身に力が入ってフレキシブルな対応ができない傾向が。さらに、「小指だけ離れている人」は交感神経が発達していてリラックスとは無縁のタイプ。さらに、「手元がいつもだらんとしている人」は、猫背でおっとりさん。というように、手元こそ、その人を映し出す鏡と言ってもいいかもしれません。

ジェルネイルをしてるからいいということではなく、毎日のコツコツ行うハンドマッサージ、手元から醸し出される印象を意識していけば、その手に見合った最高の指輪が贈られる日が訪れるはず。美しいダイヤモンドのリングを夢見ながら、今から準備を始めましょう。