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Essay エッセイ

Vol.15 その脂肪、贅肉にする? バストにする?

前回は「補整下着に頼ると、体型も体調も崩してしまう」というお話をしました。今回は逆に「これだけはぜひ正しくつけるべき」という下着=ブラジャーのお話をします。

まず言えるのは、ほとんどの女性は自分に合ったブラを選べておらず、つけ方も間違っている、ということ。皆さんがブラをつけている位置は、明らかに下すぎるのです。それではブラを胸にかぶせるだけになので、つけている意味がありません。胸はほとんどが脂肪ですから、基本的には流れたい場所に流れてしまいます。それをサポートするのがブラの役目。ところが位置を下にしてしまうことで正しいサイズも選べていないし、本来は胸の一部であるお肉を、脇やお腹側に逃がすという現象が生じてしまうんです。

では「自分に合ったブラ」をどう選び、どうつけるか? ひとつの目安になるのは、「ブラをつけたときに、胸の下のお肉がどの程度余っているか」。胸の下のお肉の厚みが指幅1本分ある場合は1カップ、指幅2本分ある場合は2カップ上のサイズが適正です。ほとんどの方が1カップ下のブラをつけていらっしゃるのではないでしょうか。正しいサイズをつけて、脇やお腹に逃げたお肉を本来あるべき胸に戻してあげましょう。

選び方だけでなく、つけ方についても皆さん誤解や先入観をお持ちです。その最たるものが、「前に屈んで、お肉を集めてカップに入れる」という誤解。よく雑誌などでも紹介されていますよね。これは残念ながら間違い。なぜって姿勢をまっすぐにしたとたん、せっかくカップに集めたお肉が逃げだしてしまうから。後述しますが、姿勢を正し、まっすぐな状態でつけるのが鉄則です。もしも前屈みでつけてしまった方は、今一度姿勢を正してチェックしてみてください。

また、アンダーバストの位置も誤解されている方が多いので、確認しましょう。手のひらを平らな状態にして(指と指はすべて2ミリ程度の隙間)、体温計をはさむように脇に親指側から挟んでみてください。このとき、小指のある位置がアンダーバストです。実際には、ここよりも下にブラのアンダーバストがきている方がほとんど。「こんなに上なのですか?」と皆さん驚かれますが、実際にこの位置でつけると胸がキレイに整う上、肩こりなどもラクになるのでぜひお試しを。バストにだって重さがあります。荷物を運ぶときに手に下げるよりも肩にかけるほうが軽く感じるのと同じこと。なるべく上にもってくることで、バストの重さがラクに感じられます。

さて、いよいよ「ブラの正しい付け方」を見ていきましょう。最初に立った姿勢で頭をこぶし1つ分後ろに引き、肩を落とします。胸を張って姿勢を正すイメージです。上で述べた、正しいアンダーバストの位置にブラを合わせます。そうすると、自分のブラの肩ひもがいかに長かったかわかり、驚かれるはず。長さを調整し、できるだけ首に近い側にひもをかけるとバストが整い、軽く感じられます。正しいアンダーバストの位置におさまるだけでなく、肩こりも出にくくなります。

次に、まっすぐな姿勢のままで、胸や脇、お腹、それに背中のお肉をカップの中に集めます。このとき片手をブラの中に差し入れてお肉をワキ下から集めますが、このときバストを入れる側の手を、お腹側や脇側からサポートするように添えるといいでしょう。ワイヤーのような役目を手で補強するわけです。私の経験では、3/4カップのブラだとお肉が入りやすい女性が多いです。

こうやってきちんとブラをつけるとバストの位置が上がり、脇肉はすっきりとして、格段にスタイルがよく見えるはずです。そして、この状態を続ければ続けるほど、それが「自分の体型」として形状記憶されます。実際に、私自身も化粧室に行くたびにバストを寄せてブラに入れこむことで、4カップもサイズが変わりました(ただ、私は胸が大きく見えるのがイヤなので、バストが上体の幅からはみ出ないようにし、トップの位置を高めにしてコンパクトにまとめることにしています。そのほうがスマートに、そしてスタイリッシュに見えるので)。

私の生徒さんでも、ブラが同じサイズのままという方は皆無。皆さん1〜2カップは大きくなっていますので、ぜひ今日から実行してください。