YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.18 真夏の夜、いい夢見ていますか?

基本的に1年365日働いている私を見て、周囲の人たちは「休めているの?」「体を壊さないでよ!」などと心配してくれます。でも、大丈夫。というのも、私は「疲れを翌日に持ち越さない」ことにかけては大ベテランだから。もちろん昔は過労で調子を崩したことも、無理なダイエットでリバウンドしたこともあります。だからこそ「私はこのペースで体と付き合えば、ベストな状態を保てる」という自分なりのセオリーを見つけたわけです。その中でも大事な位置を占めているのが「睡眠」。羨ましがられそうですが、私は毎日7〜8時間の睡眠を死守しています。寝苦しくなる夏を迎えた今回は、そんな「睡眠」のお話です。

成功者はショートスリーパー、なんて説もありますが、私は絶対に無理。少なくとも7時間眠らないと、翌日に動けなくなります。ですから、深夜(個人レッスンは最終23時半ですから、終わると24時半。片付けや食事、入浴をしていればあっという間に3時をまわります)まで仕事を入れる場合は、翌日の仕事は午後スタート。美容の黄金タイムといわれる22時〜2時に眠るのはさすがに稀ですが、7時間の睡眠を確保していれば(私の場合は)大丈夫。まずは自分の「ベスト睡眠時間」を知ること、「自分なりの規則正しさ」を見つけること、これが大切です。

その上で、睡眠のクオリティをあげる工夫をしましょう。私の場合、まず第一に「疲れてを溜めない」が鉄則。足がむくんでいるまま、筋肉が固まっているまま眠ってしまうと、翌日に疲れを持ち越してしまいます。メイクだってきちんと落とさないで寝てしまうと、肌をもとの状態に回復させるのに時間がかかりますよね。それと同じで、体も「その日の疲れ」を放置して眠ると、翌日に体が動かなくなる。無理して動かしていると怪我や病気になりかねません。体をリラックスさせるからこそ循環機能や消化機能もきちんと働くんです。軽くストレッチをしたり、お風呂に入ったり、お酒を飲んだら少し歩いて帰ってアルコールを分解するといったような「残さない」努力は絶対に必要です。

第二に「頭の疲れは放置する」こと。筋肉の疲れはストレッチなどで解消できますが、たとえば悩み事、仕事のアイディアといったものは5分10分では解決しませんよね。そういったものはベッドに持ち込まず、放置してしまってOK。たっぷり眠った“翌朝の自分”のほうが上手に対処できます。もしも気になって眠れなくなってしまったら、私は紙に書き出すことにしています。すべきこと、懸案事項、仕事上の悩みなど頭をよぎることをすべて書き出してしまえば、頭をからっぽにして眠ることができます。

第三に、「無理に眠らなくちゃ」とは思わないこと。7〜8時間は眠るとお話しましたが、私の場合それは「横になって筋肉が休んでいる時間」も含みます。音楽をかけて横になっていたり、テレビがついていることもあります。「寝なくちゃ」と思うと焦って自分のメンタルを追い込んでしまいますよね。それよりも、「筋肉は休んでいるんだから、大丈夫でしょ」と構えるほうが心も体もラクになります。自分に余計な気を使わせない、というのも大人の証なんです。

最後に、「寝るときの姿勢」についてアドバイスを。好きな姿勢は人それぞれだと思いますが、可能であればぜひ、あおむけ寝にトライを。以前もお話しましたが呼吸が深くなるのでたっぷり酸素が行き渡ります。横を向いたり寝返りを打つのも、その方の体が求めていることなので(筋肉を無意識のうちにほぐしているんです)必要なのですが、眠りにつくときはあおむけに寝てみては? 気功と一緒で全身の血液やリンパが流れやすくなり、ゆったりと落ち着いた気持ちで眠りにつけます。限られた睡眠のクオリティをよくすれば、心身がよりよい状態になるのは言うまでもありませんよね。それでは皆さん、おやすみなさい!