YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.24 「今年の目標は?」と聞かれたあなたに。

皆さん、どんな年明けになりましたか。改まった気持ちで、今年もより美しく、より健康な心と身体づくりに邁進したいと思います。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

さて。よくメディアの方から「ダイエットのテーマは1月にやるとウケるんですよ」なんて話を耳にします。その心は「新年に、新たな決意をするから」なんだそう。確かに、新年の誓いをたてたり、書初めをしたりという習慣が私たち日本人にはありますよね。それに、ビジネス本などでも「目標を明確に」なんて主張はよく見ますし、「なりたい自分(仕事/家/恋人/容貌……)をイメージすれば、必ず手に入る」と言う著名人の方も多いですよね。皆さんも、目標を決めて意気込んでいたり、または何も決めていなくて焦ったりしていませんか?

さて、私は新年だからとか、誕生日だからといった理由で目標を掲げたり誓ったりする必要はない、と思います。目標なんて、立てたいときに立てるもの。外側の基準より、「こうなりたい」「こうしたい」という自分の気持ちのほうがずっと大切です。

それに、「○○しなくちゃ」なんて焦ると、本来の目標からそれてしまうもの。かくいう私自身も、現在の仕事を始めるよりもずっと前ですが、がむしゃらに「5キロ痩せる!」という目標を掲げたことがあります。サランラップを巻き、ベルトを巻き、サウナスーツを着て毎日ジョギングしていました。数字としての体重は減りましたが、そのときの自分のボディラインはたいして美しくなかったのです。節目とか、数字とか、そういった外側の基準に振り回されていたんですね。

もちろん、誰だって迷うことはあるし、何を見てもピンとこない時があります。そういう時に無理に目標をひねり出す必要なんて、まったくないのです。

さきほどの例に戻りましょう。数字に振り回され、思い込みでダイエットをしていた昔の私は、体調を崩しました。さて、どうしよう? 考えあぐねてふと目に入ったのは、自分の影でした。ただのシルエットですから、体重が何キロなのかも、どんなブランドの服を着ているかも、どんなメイクをしているのかもわかりません。そんなシルエットが美しいボディこそ、私が望むものではないか。私が欲しいのは、どこの服を着ていても美しく見えるような、健康的な美なのではないか ————そこから長い研究が始まり、今のようなボディメイク術を編み出すに至りました。体重は当時とまったく変わりませんが、ボディラインは別人のようですし、まだまだ変えて見せるわよ、と思っています。

ですから、新年だからと焦らず、自分自身をじっくり見つめてください。イベントに振り回されたりせず、目標は立てたいときに立てればいいのです。

特に目標が思い浮かばない時は、「これは嫌いだわ」「これは違うかな」と思うことや行動を控えるだけでも充分。おかしいと思うものは消去して、毎日きちんと丁寧に生きていれば、自然と上がっていけるんです。それは身体にたとえていえば、うがいや手洗いをきちんとする、というような地味な行為ですよね。でも、その小さな積み重ねが健康に結びつくのです。そうすると、いつの間にか何かやりたいことが見つかったときの、自分自身のメンテナンス(=準備)ができていますよ。

美しいボディも、いい仕事も、いい人間関係も、結局は小さな積み重ねの集積です。本年も、小さなことをコツコツと重ねて、より美しくなりましょう!