YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.46 “一目瞭然”の効能

そもそものきっかけは、生徒さんからの「先生、ブログやっていないんですか?」という一言でした。「やっていないけれど、どうして?」と聞いたところ「先生が毎日食べているものに興味がある」との返事。確かに、ブログに食事をアップしている方は多いですよね。「食事制限をしないでナイスボディになる」を謡っている私が日々どんな食事をしているのか、興味をもたれるのは自然なことかもしれません。

ただ、ブログにあげたり文章をつけるほどの時間的余裕はないし……そこではたとひらめきました。
「わかった、それなら私は、食べたものをぜんぶ写真に撮ってみるわ!」
───ここから新たな自由研究が始まりました。朝昼晩の食事はもちろん、間食のチョコ1つでも毎日すべて写真に記録するという自由研究です。レコーディングダイエットの写真版みたいなものですね。面白いと賛同してくれた生徒さん40名近くが参加してくれ、“食事写真の交換日記”が始まりました。

食事を記録するといっても、携帯で写真を撮るだけなのだからいたって簡単。けれど、1ヶ月も続けると面白い発見がたくさんあります。参加してくれた生徒さん全員の体重が減ったのも驚きでしたが、さらに良かったのは、こんな反響があったことです。

「私、忙しいと炭水化物に走るクセがあることがわかりました!」「自分で思っているよりも、油っこい食事が続いていてびっくり」「先生の真似をしてスウィーツをちゃんとお皿に盛ったら、少量でもじっくり味わえて満足できました」などなど、嬉しい報告がたくさん。食の記録を眺めているうちに、自分の食べグセを発見できるんですね。写真でチェックできるので、直感的に食の傾向がわかるのもいいところ。私は食事制限のダイエットには反対ですが、こういった“食べグセの見直し”は大歓迎です。

そういえば……と私が思い出したのは、20年近く前、自分が初めて「食の記録」をつけたときのこと。何らかの食物アレルギーがありそうなのに、その原因がわからなくて困っていたのです。そこで、自分の体調管理のために記録をつけ始めたところ、ニンニクを摂ると調子が悪いのだと気づきました。それ以外にも4月や5月はケガをしやすいとか、外食が続いたときにほっと落ち着く味はコレ!など、さまざまな発見があったのです。

この出来事をきっかけにして、生徒さんには体重や体調、体温、仕事の忙しさやメンタルなどの記録を勧めるようになりました。けれどシートに記入するのはちょっと面倒ですし、文字だけだとサラッと読めてしまう人も多いんですね。今回の“すべての食を写真に撮る”なら手間はいりませんし、食べた量まで一目瞭然。ムダなストレス食いが多い方、外食が多くてお酒や油ものが気になるという方は特に、はっとさせられる気づきを得られたよう。毎日が驚きの発見ばかりなので、この続きはまたご報告しますね!

ブログにお食事の写真を上げる方は多いけれど、「すべての食を写真に撮る」を実践している方はいないもの。家での食事からちょっとしたオヤツ、飲んだお薬まで記録してみると、そこから得られるものがたくさんあります。ウエブなどで公開にする必要はありませんが、“自分の食の答え合わせ”として記録してみませんか? 一ヶ月、いいえ、一週間でも、多くの驚きや発見があるはずです。