YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.69 キレイの距離感② ~マッサージ効果を最大にする正しい起点~

一日中すっきりと晴れ渡る日は少ないものの、ずいぶん秋らしくなってきましたね。“魅せる所作のコツ”をお伝えした前回のエッセイはいかがでしたか? 意識を置く場所を変えるだけで関節と筋肉の機能が変わり、動作が変わる。その「適切な距離感」が所作を美しくする、というお話でした。

この「距離感」、じつはもう1つ応用があります。
例えば、肩が凝った時。みなさんは普段どんなケアをしていますか? きっとほとんどの方は肩そのものをもみほぐしたり、あるいは湿布を貼ったりしているでしょう。もちろん、それも間違いではありません。ただ、たいていの場合楽になるのはほんの一時。少し経つと元に戻ってしまうはずです。「え、それって当たり前のことじゃない?」と思われた方。確かに、同じ日常動作を続けていれば、また肩は凝ります。でもより効果的に、そして持続力を高めることは可能なんです。そう、それがマッサージ効果を最大にし、キレイを高めるための「距離感」。

ポイントは、所作とは反対に「心臓から1つ遠い場所」を起点にすること。肩が凝っている時は腕から、腕が疲れた時は手首の周りや手のひらから。腰が痛む時はお尻から、ふくらはぎがむくんでいる時は足の指から、というように、気になる場所から1つ掘り下げてケアするようにしてみてください。そうすると、意外にもその部分の方か強張っていたり、がっちり固まっていたりして、そこをマッサージするともともと気になっていたところがすっと楽になる。おもしろいでしょう?

なぜかというと、これには全身の血液循環が関係しています。血液は心臓から送られてきて、隅々をめぐってまた心臓へと戻っていくわけですが、下から上へと戻っていく血液は重力の影響で、自ずと勢いが鈍ります。本来なら筋肉の収縮が血行をサポートしてくれるシステムになっているものの、体を動かさず、同じ姿勢を長時間続けていると筋肉の収縮が不足して、血流の滞りから凝りやむくみになっていきます。凝りやむくみをケアすることは、血流の滞りを解き、元のスムーズな循環に戻してあげること。となれば、その部分だけよりも手前から流れをよくした方が勢いがつき、効果も持続性も高まることは予測がつきますよね。とくに関節周りは凝りやすいので、ケアをする時は首、手首、足首の“3つの首”を温めるところから入っていくと、さらに効果的。この“3つの首”は所作においても重要で、周辺の凝りが解けると動作の際に首が表れ、しなやかにキレイに見えるんです。このポイントも、あわせて覚えておいてくださいね。そして言わずもがな、普段の姿勢への意識も大切に!