YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.72 脚“だけ”細くならないその原因

どんなにがんばっても「脚だけが痩せない」という女性、世の中にたくさんいらっしゃいますよね。じつは先日、とうとうその大きな原因を突き止めました。

その原因とは……、ズバリ正座! 日常的に、無意識のうちに正座をする習慣があるかどうか。そして「脚だけが痩せない」と悩むのは、ほとんどが正座をする習慣のある人だったのです。これには育った環境が大きく影響していて、食事の時は必ず正座で、などのように、小さな頃からそう躾られて育ってきた方は大人になってもその習慣が抜けなくて、家で過ごしているときやお座敷などの場で、自然に正座をしてしまうんです。この結果は生徒さんを始め、私のまわりにいるほとんどの方に共通していたので、正座が脚を太くし、痩せにくくしている原因なのはおそらく間違いありません。

でもなぜ、正座をする習慣があると脚が細くならないのでしょう? なんとなくイメージできる方もいると思うのですが、正座は脚に全体重を乗せて支える姿勢で、その姿勢の間中、脚は体の下でギューッと圧迫されています。そうすると、その重圧に耐えられるよう脚は地味にコツコツ鍛えられていき、小さな頃からずっと続けている人ほど脚が頑固になってしまっているため、ちょっとやそっとのケアではビクともしないのです。

ですから、そういう方にはまずその習慣に気づいてもらい、極力改めていただきます。代わりにイスに座る、あぐらをかく、よく動くようにするなど、脚をのびのびさせてあげる時間を増やすようアドバイスします。温めるのも効果的で、コツコツ鍛えて頑固になってしまった脚を今まで以上にゆるめてあげ、“伸ばすコツコツ”にシフトチェンジするんです。

もちろん、正座は日本の文化のひとつですから、それ自体が悪いという話ではありません。お茶やお花のお稽古のように、正座がふさわしいとき、正座である必要があるときはいいでしょう。ですが、“美ボディ”に必要なしなやかさと柔軟性を考え、私自身は正座をしません。もしもしないといけない場合は、下座(しもざ)に座ります。そうすると、お手伝いのため頻繁に立ったり座ったりができますから。さらに、正座している間も重心を一点に置かず、膝の角度を変えていったり、足首を立てたりして同じ姿勢を続けないようにするんです。美ボディにとって「同じ姿勢を続けない」ことの大切さは、前回のエッセイでもお伝えしましたが、改めて心に留めておいてくださいね。ちなみに、正座をしながら膝の角度を変えるときは“股関節から脚ごと”行うのがポイントです。

さぁ、今年最初のエッセイはいかがでしたか? どうして痩せにくいのか、コツコツ鍛えてしまったパーツにはどんなアプローチが必要なのか。少しだけご理解いただけたでしょうか? 脚に限らず、サイズダウンしにくいところには必ず原因があるはずです。見たくない場所をしっかりと見つめる。そして原因を考え、対処することをあきらめないでくださいね。2017年も気持ちを新たに、一歩ずつキレイへの道を歩んでいきましょう。