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Essay エッセイ

Vol.76 日常生活が乱れると体に内臓脂肪が溜まる!?

長い休暇を終えて、日常生活に戻った方も多いのではないでしょうか。今から梅雨明けまではエアコンに頼らずに過ごせる、筋肉に優しい心地よい季節です。そろそろボディメイクを意識する方も多いでしょう。

人間の体は、日常生活…つまり毎日の過ごし方によって日々刻々と変わっていくものです。普段の日常で何でも丁寧にできているときは、やはり体もきちんと応えてくれて調子がいいものです。

生徒さんを見ていても、日常生活の在り方によって体内の組成まで変わってきます。よくあるケースは、普段、レッスンで髪を落としていかない生徒さんが珍しく髪を落としていったなど、ほんの少しの変化が見えたときに体重シートを確認すると、大抵内臓脂肪が増えています。要は皮下脂肪なら、人の手に頼ったりお金をかけたりして、ある程度他力本願でも減らせるのですが、内臓脂肪は自分が普段の生活をどれだけきちんと管理できているかという、身だしなみの現れです。皮下脂肪は表面的なおしゃれで、内臓脂肪は身だしなみと自己管理の現れ…と捉えていただいてもいいかもしれません。

私自身も体のコンディションが一番いいときは、ハンカチ1枚でもシワに気づくと、すぐにアイロンをかけたり、洋服の毛玉に気づいたらすぐに取るようにして、気づいたらやるを徹底しています。

また、出かける前に着替えなどの身支度すべて終えたあと、「5分のゆとり」という時間を持つようにしています。この5分間は念には念を入れて、洋服のほこりを取るような、身だしなみを整える時間。体の調子が万全のときは普段から丁寧に生活できているので、この5分間はほとんど使うことがありません。この状態が私にとってのベスト! 反対にこの時間を使うようならアウト! 日常生活が少々雑になっているということです。

体調やボディライン、内臓脂肪を含め、体のコンディションを万全にするには日常生活を丁寧に過ごすことが非常に大切なのです。

先ほどの、急に髪を落とすようになった生徒さんの日常生活が乱れている原因は、仕事やプライベートの予定を詰め込みすぎて、気持ちに余裕がなくなっている場合や、頭皮やヘアー、体のメンテナンス不足という場合が多いです。そこで、生活の時間配分について聞くようにしています。

たとえば、週に何度も友達と会っていて気分がスッキリしているなら、それは本人にとっては必要な時間です。しかし、「誘われたから」となんとなく出かけ疲れて帰ってくるようなら、人間関係や交際の断捨離も少し必要かもしれません。

自分を急かしたり追い込んでしまう性質がある人や、友達と会ってもぐったり疲れを感じたり自分の身だしなみもおろそかになるなら、思いきって日常生活を見直すよう提案することもあります。

たとえば私の場合、自己管理がまずいと思ったとき、気を使う人との交際をしばらく控えます。その代わり、ひとりで好きな温泉などに出かけデトックス。そして身も心もリフレッシュさせます。もし普段の生活で体のコンディションがよくないなら、生活自体をデトックスという意識に変えていけばいいのです。

どうしても日常が乱れがちな人には、とにかく我慢をしないことをおすすめしています。日常生活の影響がどれくらいの期間で体に現れるのかというと、わずか1日です。

もし泣きたいなら泣いたらいいし(涙は究極のデトックス)、眠れないなら横になるだけでも十分(筋肉の癒し)、体はちゃんと休めています。現状に無理に抗おうとせず、我慢をせず、心身ともにリラックスしたほうがいいのです。体が緊張して呼吸が浅くなると、筋肉や関節まわりも硬くなってしまい、体の可動域も狭まります。そうなると、脂肪も溜め込みやすくなりますよね。

内臓脂肪レベルが低い人って、実はフットワークが軽いんですよ! まずは身だしなみとメンテナンスを大切にしてみてはいかがでしょうか? そうすると日常生活の中で、ふと気づいたこともサッとできるようになり、脂肪燃焼しやすい体へ導かれるはずです。