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Essay エッセイ

Vol.77 自分の体が教えてくれる“サイン”に気づくことが大切

ふと気づいたら「体に疲れをため込んでいた」「不調や病気を抱えていた」とおっしゃる方は少なくないものです。今回はそのひとつ手前、自分の体が教えてくれる“サイン”について、お伝えしたいと思います。

さまざまな“サイン”は、日常生活の中に無数にあるものです。まず洋服を着た際に、丈やサイズ感、ライン、シワなど、見た目に違和感があったとき。いつもとは違う場所に下着の跡が付いたとき。靴底の減りが早まったとき。髪の立ち上がり方が違うとき。顔に吹き出物が出たとき…。

このように「何だかいつもと少し違うな。」と感じたときは、自分の体の許容範囲をオーバーしてしまっていると考えていいでしょう。いずれもささやかなものばかりですが、「これはおかしいですよ!」と体が教えてくれているのです。体の“サイン”が積み重なってケアが間に合わなくなると、不調や病気になってしまいます。“サイン”が出始めたときに「これはなぜかな?」と疑問を持って、自分なりに回答を考えることが大切です。

たとえば、髪の立ち上がり方が違うときは「油物の食事が続いていた」、顔に吹き出物が出たときは「夜中に袋菓子を食べた」などと、何かしらいつもとは違うことをしているはず。また靴底のかかとの減りが早まったときは、足首やひざなどの関節が固まっていて、ふくらはぎやももがこり固まっているのでは。つまり、普段と何かしら動きや感覚が違うときには、筋肉の状態も変わっているのです。

こうして「何か違う」というクエスチョンが出てきた時点で、日常生活を振り返ってみることが大切です。自分の体から発している“サイン”に気づき、生活を振り返って、1回1回丁寧に改善していけば、体調がなし崩しに悪くなることもないのです。

たとえば、洋服や体に変なシワが付いていたなら、「今日はずっと椅子に座りっぱなしだった」と気づき、「姿勢をちょこちょこ変えてみよう」「固まった筋肉をマッサージしてみよう」という気持ちになりますよね。肌や髪に“サイン”が出ていた場合、食事を振り返ってみると、「普段口にしないようなジャンクフードや袋菓子などが続いていた」というような理由がわかってしまうのです。

ちなみに袋菓子などを食べたとき、体に残りにくくなる山田流のコツがあります。躊躇してしまいがちな袋菓子などはダラダラと食べず、堂々と楽しんで口にします。食べたあとはお茶や水など水分をしっかり摂って、消化を促すようにします。ジャンクなものって水分少ないものが多いですよね。翌日も胃の中のものが消化されてお通じがあるまで、しっかりと水分を摂り続けます。水分以外は、自分の消化を促してくれるものを摂るといいでしょう。消化を促すものには色々と個人差があり、ヨーグルトの人もいればフルーツの人もいます。私の場合は、自作のカスピ海ヨーグルトドリンクを飲んでいます。

ちなみにたくさん食べ過ぎてしまったときなどは、本当にお腹が空くときまで食べません。身の周りのことでちょこまか動いていると、胃腸が動き出してきます。そうすると、消化、排泄につながりやすくなります。こんなときこそ、体をクリアな状態にしてから、次の食事を摂るようなサイクルが必要なのです。

また筋肉が固まったり張ったりしているときは、いつもと所作が違っていますよね。そんなときはあお向けに寝て、筋肉の状態をチェックしてみてください。あお向けに寝て、リラックスしたときに「心地いい」と感じるようならいいのですが、逆に筋肉の反発や違和感があるようなら、筋肉がこり固まっている可能性が。

そこで、固まった筋肉をゆるめる方法をご紹介します。まず、お風呂にゆっくり浸かって体をあたためます。筋肉の大好物のひとつは、あたためることだから。これはマスト!! そして、洋服は1サイズ大きなものを着るようにします。私は、ジャケットは36と38サイズを持っていて、筋肉が固まっているときは、38サイズを着るようにしています。なぜならば36サイズだと体にぴったりとフィットしているので、筋肉や関節などの可動域が狭まります。同様に下着もアンダーバストが65cmを70cmのものに変えるなど、洋服や下着で体を締めつけずに泳がせるようにするのです。そして筋肉にとって、ふたつ目の好物は呼吸なので、しっかりと呼吸を意識しながら、洋服のサイズを1サイズ上げ、体の動きを大きくします。そうすると、固まった筋肉が動かしやすくなるので、こわばりや張りがなくなっていきます。

まずは、日常生活の中で自分の体から発している“サイン”に気づくこと。そして“サイン”をキャッチして、その理由や対策という回答を見つけるようにしましょう。“サイン”の改善策が見つかれば、自分がきれいになれる美容の定番メソッドが増えていくので、楽しみながら取り組めるはずですね。