YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.83 サイズアップは理想のボディへの近道

たっぷりと時間の取れる年末年始は、身の周りのことを落ち着いて見直す、非常にいい機会。

たとえば、洋服や下着など何の疑いもなく、いつも同じサイズを購入し、身につけている方も多いのではないでしょうか。サイズ変更のタイミングは、なかなか難しいものですよね。特にサイズを上げる場合は、かなり抵抗がある方が多いように思います。なぜなら、「自分が太った」と感じるからです。

しかし、何度もお伝えしているように、私たちの体型や体のサイズは、毎日どころか、1時間ごとでも違います。ちなみに私自身、朝と夜とではデニムのサイズを変えています。単純に考えても、10年前とまったく同じ体の人はいませんよね。

山田友美WALKING STYLEでは、ボディメイクをしていくため、今現在の自分の体が今までの中で一番いい状態です。今日、「これだ」と思ったものが“絶対”。一般的には加齢とともに体型は崩れていくものですが、うちの場合は体型が日々進化していきます。

たとえば、アンダーバストが65cmから70cmになった場合。一見、「太った」と思われがちですが、合宿などで指導するストレッチやボディクリームの塗り方次第で、背中や腕のぷよぷよが胸に移動します。そして、お腹まわりにあったお肉が胸までどんどん引き上がっていきます。つまり、アンダーバストが5cm上がるということは、ウエスト周辺のお肉などがバストに収まるのです。

また、腰骨で履くローライズタイプのジーンズが23インチから24インチに上がった場合もまったく同じです。ヒップのお肉が腰骨辺りまで引き上がっているせいです。つまり、ヒップトップそのものの位置が高くなっているのです。

サイズが大きくなるという、一般的には「太った」と捉えられる事象も、うちの場合はバストやヒップがリフトアップしているので、特に問題はありません。生徒さんには「勇気を持って、すぐにサイズを上げてください」とお伝えしています。逆に洋服や下着を小さなままにしておいて、体を締めつけてしまうと、ボディメイクの妨げになりかねないからです。

レッスンでお伝えしている姿勢やウォーキングはもちろん、体の洗い方やクリームの塗り方まで日常の動作すべてにムダなどなく、効率よくボディメイクできる“エクササイズ”です。たとえば、普段の生活の中でヒップを引き上げたい場合なら、新しく理想のヒップにしたい腰の真ん中に、上半身の重心を置く必要があります。しかし、以前の小さいサイズのままだと、新しくヒップにしたい場所をギュッと締めつけてしまうため、結果的に乗せたい場所に重心が乗らなくなってしまうのです。以前の体型にぴったりすぎるものを選ぶと、次に目指す体型に必要な筋肉のスペースがないというわけです。ボディメイクの過程ではある程度のゆとりが必要なのですが、実際は小さなサイズを選んでいる方が多いのです。

エクササイズやヨガ、水泳……どんな運動をするにしても、体を締めつけるウエアを着ている人は、どこにもいませんよね。だから、トレーニングウエアは、体を動かすためのゆとりがあり、伸び縮みするものばかりだと思います。体を締め上げる補整下着のようなものを身につけて、正しく望ましい運動はできないのです。

エレガントでしなやかな体は、姿勢や動作といった“日常のエクササイズ”の意識で、ボディメイクが可能なため、普段から体を締めつけてしまうのは得策ではありません。せっかく日常生活の中でただ歩いているだけでも、エクササイズができているわけですから、勇気を持って、サイズを上げる必要があるのです。

もし、いつもの洋服や下着、タイツなどを脱いで、ウエストや腰、股関節といった部位に15分経っても跡が残って消えないようなら、それはもう、体を締めつけている証拠。体に跡がつかないように少しずつずらしながら着用するか、サイズを上げたほうがいいのです。

「胸がそこにあるから」と今、ある位置に下着をつける……というより、かぶせている人がいますが、それは非常にもったいないこと。柔らかい場所になればなるほど、日常の姿勢や動作(体の洗い方など)で、バストやヒップなどの位置は確実に上げていくことができます。体に触れるときは、まさにボディメイクのチャンス。普段、横に流れたり、下垂していたお肉も、ちょっとした意識で本来あるべき場所に引き上がっていくのです。

ボディラインを今とは違う正しい理想の場所に、ベストな形に作っていきたいのなら、サイズもゆとりが必要です。いつもの洋服や下着が自分の体を締めつけていないか、サイズを変更する必要はないか、この季節だからこそ、改めて見直してみてください。