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Essay エッセイ

Vol.89 内臓脂肪が減らせる、写真を撮るだけの食事日記

以前、朝昼晩の3食の食事はもちろん、間食のチョコ1粒も、口にするものはすべて写真に撮って記録していることを紹介しました。この写真を撮るだけの食事日記を生徒さんと、3年間継続してきて、わかってきたことをご報告したいと思います。

写真による食事日記の大前提は、食べたいものは我慢せずにいさぎよく食べること。もし、ケーキが食べたいなら、袋菓子などで妥協せず、本当に食べたいと思うケーキを楽しみます。他の物で妥協すると、結局満足感が得られず、食べたあとでもクッキーやフルーツなどを次々とつまんでしまうことも少なくないからです。そして、食事の量は腹六分か、腹八分までにして、満腹にならないよう気をつけます。腹六分は今すぐお風呂に入れるくらい、腹八分は席をさっと立って、他のお店に歩いてデザートを食べに行けるくらい、フットワークが軽い状態だと考えてください。あとは、1日30品目の食材を摂るように心がけました。

私も生徒さんも皆そうなのですが、食事を写真に撮るので、まず見た目に気を配るようになりました。たとえば、お弁当や袋菓子を食べるにしても、お皿にきれいに盛り付けるようになったのです。大きなお皿に料理をちょこっと盛り付けたり、ナッツを散らしたり、ドレッシングを別添えすると、見た目が抜群に美しくなりました。また、1日で30品目の食材を摂るため、朝食でも品目を増やしたくなったのです。チアシードやアマランサスなどを料理に少しふりかけたりするようになりました。さらに写真写りがいいように、緑や赤などの彩りがきれいな料理や食材を自然と選ぶようになったのです。食生活がとても豊かになり、食べることがものすごく楽しくなりました。

写真を撮り始めてからわかったことですが、彩りがきれいで食材の色が鮮やかに出ている料理を食べている人は、メリハリのあるボディです。反対に見た目が茶色の料理ばかりを食べている人は、だらしない体つきだったのです。炊き込みご飯や煮物にしても、醤油などの調味料をたくさん使っている料理は、見た目が茶色になります。味付けが濃いものは、やはり太りやすいのです。色鮮やかな料理を食べているぶんには、以前より食べる量が増えていても、太りにくいことがわかってきました。

ほかにも、食への感度が研ぎ澄まされてきたせいか、食品を購入するときは、裏側の食品表示をチェックするようになったのです。食材ではない得体の知れないものが食品表示に書かれている食品は、自然と選ばなくなりました。ノンオイルドレッシングや、極端にカロリーの低いものは、意外と糖質が多いですよね。

以前も紹介したように、食品表示にはさまざまな添加物が入っていて長期間保存できる「賞味期限」と、保存がきかないので早めに食べきる必要がある「消費期限」があります。おやつを食べるにしても、賞味期限が書かれている袋菓子より、消費期限が書かれている生菓子を選ぶようになりました。保存ができなくて、腐っていく生ものを食べたほうが結果的に得体の知れないものを体に蓄積せずにすむのです。

不思議なことに賞味期限が書かれている食品や、精製されている食品は、お腹いっぱいでも満足感が得られず、連鎖的に食べ続けることもわかってきました。ある生徒さんは、食後にもかかわらず、お土産でもらった長期保存できるタルトを皮切りに、せんべい、スイートポテト、シュークリームと食べ続けてしまったそうです。いずれも得体の知れないものが裏に書いてある食品ばかりでした。反対に口にすると十分に満足できて、食べ続けずにすむものもあります。はちみつや、カカオ70%以上のチョコレート、濃厚な牛乳、糖度が高い完熟のフルーツなどです。

お酒の飲み方であれば、濃い味や塩辛い味のおつまみをひと口食べて、大きなジョッキでお酒をゴクゴクと飲む人ばかりが太っていることがわかってきました。一方、肉や魚、野菜など素材を活かした味のおつまみを食べて、小さなグラスでお酒をゆっくり飲んでいる人は、やせていたのです。

塩をひとつ選ぶにしても、赤いキャップの食塩、つまりナトリウムではなく、ミネラルがたっぷり入った岩塩を選ぶようになりました。

食事や間食を撮り続けているうちに、自然と体にいいものを選ぶようになるので、肌がきれいになる方ばかり。また、食べたものにより、翌日の自分の体調や肌のコンディションが把握できるようになったのです。カロリーは一切気にせず、体にいいものを食べていれば、太らないこともわかってきました。内臓脂肪レベルも10段階あるうちの一番低い「1」になる人が年々増えてきたのです。ダイエットをすることなく、食事だけで内臓脂肪が減らせるので、ぜひ参考になさってください。