YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.22 「すらり美人」は緊張知らず?

いよいよ今年も残りわずか。パーティなどのイベントが控えている人も多いのではないでしょうか。そんなときに、二の腕が気になるという人が多いよう。前回のエッセイでちらりと「クラッチバッグの持ち方」について触れたのですが、「腕がキレイに見えるなら、頑張ります!」という反響をたくさんいただきました。特に30歳を超えると上半身に脂肪がつきやすくなるので、「二の腕をすらりと見せたい」という方は多いようです。今回は、そんな二の腕についてのお話です。

二の腕をすらりと見せたいとき、いちばんポイントになるのは何だと思いますか? 腕をまっすぐにすること? 違います。後述しますが、腕をピンと伸ばすのはむしろNG。肩を落とすこと? それも大切ですが、「落とそう」と頑張るのではなく、リラックスしていることが大切。二の腕に限らず、すらりと見せるなら「ほどよい脱力」が大切なんです。

レッスンで拝見していると、皆さん関節という関節を伸ばしきっていることが多いんですね。キレイに歩こう、いい姿勢になろうとすると、その傾向はさらに高まります。肘をピンと張り、指をピンと伸ばし、膝もピンと突っ張る。そうすると皆さんが気にしがちな猫背は隠せるかもしれませんが、頑張っている緊張感が伝わり、ちっともエレガントには見えません。余裕のない、めいっぱいな印象を与えてしまうんです。

では、余計な緊張をとるためにはどうしたらいいのでしょうか。「緊張しないように」と余計に頑張ってしまっては、元も子もないですよね。私がレッスンでよく使うイメージは、たとえばこんな感じです。
「シャワーを浴びます。心地いい、温かいお湯が肩に降り注ぎ、肘をつたわって人差し指や中指まですうっと流れていきます」……どうでしょう? こういったイメージだと、肩から腕、指先までが緩やかにつながりませんか? 関節が突っ張って伸びるのではなく、少し緩んだいい状態になりますよね。こういったほどよい脱力が、ナチュラルでエレガントな美しさを生むのです。

関節をピンと伸ばすのは、見た目によくないというだけではありません。余計な力が入っているからモリッと肉がついてしまいますし、凝りやすくもなります。膝をピンと強ばらせていると、膝関節がダメージを受けてやられてしまいます。正しい歩き方や美しい姿勢を学ぶことは、実は身体への負担を減らすことにもつながるんです。

身体が緊張しているかもと思う方は、ぜひ普段の生活の中でチェックしてみてください。たとえば肩をぐぐっと上げて、ストンと落とす。そのときに、手がぶらんと脱力すれば合格です。あるいは、前回のエッセイでもご紹介したように、肘が後ろを向いているかどうかを見るのもおすすめ。骨の向きを変えるだけで、へんな筋肉をつけなくてすみます。身体が緊張していたら、3分でいいので仰向け寝をしたり、壁の前に立ってみるのもいいでしょう。

快適な身体こそ、傍から見てても美しい。すらり美人になりたいなら、緊張を解いてしなやかに生きること、それが一番です!