YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.32 美尻を目指すなら、「座る」を克服せよ

前回は脚がむくまないためのコツをお話しました。読んでくださった方から「コツはわかったけれど、そもそも私の座り方は合っているの?」といった問い合わせをいただきましたので、今回は基本に戻って「座り方」のお話をさせていただきます。

毎日の生活で「座る」はとても長い時間を占めていますよね。デスクワークの方なら、いちばん長く過ごすのは椅子の上、ということもあるかもしれません。けれど、座る姿勢はお尻をべちゃっとつぶしてしまいますし、股関節にかかる負担もかなりのもの。ですから私は、日中の「座る時間」をいかに少なくするかに腐心しています。オフィスのパソコンも高い位置に置き、立って操作しているくらいです(笑)し、ときどき「あおむけ寝」でリセットしているほど。それくらい、「座る」という姿勢は要注意なのです。

座るときのポイントは、横から見たときに「お尻・肩甲骨・後頭部」を一直線に保つこと。「立ち方」と基本的には同じで、背中のS字カーブを崩さないことが大切。これだけで腹筋と背筋が働き始めますから、肩や腰ばかりが酷使される心配はなくなります。

それから、膝を曲げる角度は必ず90度以上にすること。かかとは膝の下にあるのが一般的ですが、もっと前に投げ出しても、少し斜めに流しても構いません(もちろん、その姿勢をずっと続けなければ、ですが)。膝を曲げすぎていると血液の流れを阻害してしまうので、90度以上にしてください。ソファなどクッションが柔らかい場合は、骨盤が寝てしまい猫背になるので要注意。柔らかい椅子に座るときは骨盤を立て、お尻の穴を真下に向けるイメージで座ってください。また、「お尻・肩甲骨・後頭部」が一直線になれば、背もたれに寄りかかっても問題ありません。

最後に、格好よく座るためのポイントをひとつ。「膝」を意識してみてください。日本女性は内股になりやすいのですが、媚びた感じに見えやすいし外重心になってしまいがち(お尻が大きくなるモトです!)。膝を少し外側に向けるだけでバランスも整い、見た目も格好よくなります。膝頭の「内側5センチ」同士をつけ、内くるぶしが少し見えるよう爪先は外向きにします。慣れてきたら、爪先は前後に少しずらしてもOK。爪先が外を向き、膝頭の内側同士が触れていれば、足先はどこに投げ出してもきれいに見えるのです。パンツを履いているとしたら、内側の縫い目同士が触れ合うような感じ。内側が触れ合っていれば、姿勢が正しく、傍目からも美しく見えます。

普段何気なく行っている「座る」を、どれだけ美しく見せるかは自分にかかっています。美しく、しかも健康にもいい座り方をぜひマスターしてください。