YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.56 今日の私には、何が必要? ~美をレベルアップする“見極め力”の磨き方~

8月後半から続いた雨が、ようやく上がりましたね。今年は残暑のないまま、秋へ移ってゆきそうな気配。さぁ、ゆらぎにくい美ボディを作るのに最適な時季の到来です。

一年のうち、春と秋はエアコンに頼らず過ごせる穏やかな季節。体への余計な負担が少なく、自然体でいやすいから筋肉もゆるんで動かしやすくなります。体と連動してメンタルも安定し、心身ともにベストコンディション。この時季、レッスンでは体をしっかり動かすストレッチを強化することにしていて、ここでがんばった生徒さんは冬の間にぐぐっとレベルアップする、という傾向があります(春の場合は夏)。そんなわけで、このタイミングを利用して、もう一歩上の美しく快適なボディを目指したいもの。ここでがんばっておくと、冬と夏を上手に過ごしやすくなりますから。ただし! 常々お伝えしているように、これが当てはまるのは、日頃コツコツとケアを積み重ねている人限定。余計な疲れや筋肉の強張りをいかに溜め込まず、春と秋に臨めるか。そこで必要になるのが、体の状態の“見極め力”です。

例えば、私の場合。
ミーティング続きで一日中座りっぱなしの日は帰り道、後ろの脚でしっかり蹴り、鍛えながら歩いて帰る。逆に動き回って筋肉を使った日は、風船を足首でぽんぽんと蹴るようなイメージで歩いて、ゆるめながら家に向かう。

さらにぶらぶらストレッチをそれこそ一日中、隙間を見つけては実践。こんなちょっとしたことでも、ちょこちょこやっておくと筋肉がほぐれやすくなって、帰宅後のケアがぐんと楽になります。毎日の限られた時間の中で、いかに的確に判断して適切なケアができるか。その積み重ねが、春と秋を飛躍のチャンスにするんですね。

そこでみなさんへ、“見極め力”を高めるとってもかんたんな方法を伝授。それは、着ている服のシワをチェックすること。同じ姿勢を長く続けていると、服にシワができますよね。それはすなわち、筋肉が強張っているということ。ちなみに、余計なお肉のたるみもこのシワのラインになりやすいのでご注意を。そして、まずはシワができないよう、同じ姿勢を続けないようにすることが第一。やむなくシワができてしまったら、筋肉を動かしてほぐしてあげる。私は椅子をすすめられても「(体に)シワができるので」とお断りすることが多いのですけど、そのくらい“シワ”は大切なものさしなんです。

“見極め力”が高まると、ケアの質とボディの基礎力も高まりますし、ブレが少なくなって、リセットするのも次のステージへレベルアップするのもスムーズになります。日に日に澄んでいく空気が心地いい、秋という自然がくれたビューティーチャンスを最大限に生かす方法。今日からさっそく取り入れてみてください。