YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.58 “環境を変える”の意外な効能。~夜の足が一番小さくなる過ごし方~

今年も残すところ、あと一カ月半ほど。街はクリスマスのイルミネーションが灯りはじめ、華やかな気分を盛り上げてくれます。そしてクリスマスや年末に向けてドレスアップの機会が増えるこの時季は、ハイヒールの出番も急増。私自身は365日10cmヒール派なのですが、ローヒール派にとってはむくみや疲れ、痛みに悩まされるという方も多いのではないでしょうか。

そんな方たちにおすすめしたいのが、足の環境をこまめに変えてあげること

足というのは靴を履いているうち、どうしても自分にとって楽な状態にもっていってしまうんですね。たいてい足指が縮こまったまま、ガチッとホールドされてしまう。同じ姿勢を続けていると服にシワが寄り、体に歪みが生じるから15分に一度は姿勢を変えた方がいいのと同じように、足も同じ形のままでいると血流とリンパの流れが滞り、むくみや疲れが溜まりやすくなるんです。

だから例えばトイレに入る度、ヒールから足を出してあげる。指を伸ばして、何度かグーパーグーパーをする。中敷きをバッグに入れておき、疲れを感じたら土踏まずなど気持ちよく感じるところに入れてあげる。中敷きがなかったらティッシュを丸めて代用するのでも十分。私はそういったケアがしやすいよう、トイレは広い個室を選んで入るようにしています。それから足指の付け根でしっかり蹴って、足裏をストレッチするように歩く。椅子に座ったら、足首をゆっくりゆっくり曲げ伸ばしする。

要はこまめに足の可動域を広げ、血液とリンパがきちんと循環する自然な状態にリセットするんです。1つ1つはちょっとしたことでも、するとしないで差は歴然! 「足は夕方になるほどむくんで大きくなるから、朝が一番小さい」と言われますけど、こまめなリセットが習慣化している私の足は、夜が一番すっきりしていて小さい。なので、効果は確かです。

もちろん、足にフィットした靴を選んで(Vol.11)正しく足を入れること(Vol.12)、体重が「足」だけにかからないよう、「脚(きゃく)」で立つ意識をもつことも大切。「脚(きゃく)」で立つというのは、重心の軸を恥骨からヒールの高さ分下がったところに置き、そこから上を上半身と捉えてブレないように歩くと感覚が掴みやすいと思います。

キレイの循環は、次の日の準備にいかに早く入れるかがカギ。足の環境をこまめに変え、疲れを残さないようにしておけば夜のケアが簡単になりますし、翌日にしわ寄せが行くこともありません。私の経験上、そういう意識をもっている人は姿勢も体も、部屋の中もキレイ。その共通項、みなさんもなんとなくわかりますよね。「足の環境マネジメント」、試してみる価値ありそうでしょう?