YAMADA TOMOMI WALKING STYLE

Essay エッセイ

Vol.54 思い立った、その時が伸び時。~ぐんぐんキレイになれる人のチャンスの掴み方~

生きている限り、あえて意識しなくても人は日々変わり、成長していくものですよね。昨日より今日、今日より明日。キレイになろう、前に進もう。なりゆき任せよりきちんと目標が定まっている方が満足のいく結果になることは明白だけれど、もう1つ、その満足度をぐんと高める簡単な方法があるんです。

それは、「やろう! やりたい!と思ったことを、その時にやる」ということ。

私のパーソナルレッスンには「◯回コース」という設定がなくて、こちらから「次は◯月◯日に来てください」と言うこともありません。それから、できるだけ生徒さんにキャンセル料が発生しないよう、前日に必ず確認メールをするのですが、その返信に例えば「ちょっと咳が出ていますけど、大丈夫です」「主人が体調を崩して休んでいるんです」ということが書かれていたら、無理せずお休みしてください、とお伝えします。

なぜかというと、100%集中してレッスンに臨んでいただきたいから。

体調が万全でなかったり心配ごとがある時は、新しいことを教わっても身につきにくい。せっかくのキレイになるチャンスを生かしきれません。でも、心からやりたいと思っている時、頭の中がクリアな状態の時は教わったことがまっすぐ頭に入り、しっかり吸収できる。それにやる気のある方、集中して臨んでいる方に対しては、教える方も力が入ります。だから「先生、今日時間空いたのだけど、行ってもいい?」「明日、キャンセル待ちでいいから入れて!」という連絡はすごく大好きだし、大歓迎。そういう方は、キレイのチャンスをどんどん掴み、ものにしていきます。

それを毎回毎回、積み上げていった人が辿り着く美しさと、そうでない人の美しさに差が生まれるのは、道理ですよね。

でも、この「やろう! やりたい!と思ったことを、その時にやる」ということ、慣れていない人にとっては難しく感じるかもしれません。

私自身、できるようになったのは体を壊し、「やるしかない」という状況があったからだと思いますし、生徒さんでもそれができている方は責任ある立場だったり、とても忙しく働いている方だったりします。やろうと思ったこと、わからないことをもやもやと悩んでいる暇がない、すぐに判断して動かなければいけない状況に身を置いている。どんなに素晴らしい目標があっても、人は切羽詰まらないとすぐに動けないものなんですよね。

言い換えると、「時間を上手に使えていない人は、キレイになるチャンスを逃している」とも言えます。

だったら、自分に時間の制限を設けてあげるのもひとつの手。そのためにおすすめなのが、以前にお話した「1日10時間睡眠を1カ月続ける」という課題の実践です(Vol.29Vol.30Vol.41)。制限を課すことが過度なプレッシャーになっては逆効果ですけれど、自分にとってプラスになる、心地いい時間のためならがんばれますよね。しかも、その効果は確実で絶大! 10時間の睡眠を確保するために、限られた時間をどう使うか、5分間で何をするか。速やかに眠りにつけるようにするために、ちょっとした隙間にストレッチをしたり、筋肉が歪まないよう姿勢をチェックしたり……。

その時やれることをバンバンやっていると、物事と心が整理されて余白が生まれます。目の前のチャンスに気づけるようになり、そのチャンスをしっかりものにできる。なりたい自分に向かって、ぐんぐん伸びてゆける。私もこの方法のおかげで、「やろうと思ったことをその時にやる」力に磨きがかかり、ますます大好きな自分でいられるようになりました。

ただし、“ぐんぐん伸びる”といっても、近道ができるわけではないことをお忘れなく。エッセイでも繰り返しお伝えしているように、何かを達成するのに近道はなくて、毎日コツコツ、「1ミリのがんばり」を積み重ねていくのみ! いきなりすごいこと、大きなことは達成できないし、する必要もないんです。

最近キレイが停滞してるな、変化がないな。そう感じたら、まずは「今」「ここ」に100%集中することから始めてみてください。キレイのチャンスは、きっと目の前にあるはずですから。